MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、MT4/MT5から直接設定できるMetaQuotes公式の仮想ホスティングサービスです。EA(自動売買)やコピーシグナルを24時間稼働させたいトレーダーに最適で、家庭用PCやVPS契約サイトを経由する必要はありません。
本記事では、料金・無料体験・導入手順・レイテンシ・他社VPSとの違いをすべて解説します。これからEA運用を安定化させたい方、サーバー停止リスクをなくしたい方は、ぜひ参考にしてください。
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)とは?【MT4/MT5公式の仮想ホスティング】
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、MetaQuotes社(MT4/MT5の開発元)が公式に提供する仮想ホスティングサービスです。
通常、EA(自動売買)やコピーシグナルを稼働させるには、自分のパソコンを24時間稼働させるか、外部のVPS業者と契約する必要があります。
しかしMetaTrader VPSを利用すれば、MT4/MT5のナビゲーターから数クリックでクラウド環境を構築でき、
自動売買を常時稼働させることが可能です。
💡 EAを24時間稼働させる前に、まずはバックテストで安定性を確認しておくのがおすすめです。
👉 【完全ガイド】MT4でEAをバックテストする方法|手順・設定・トラブル解決まで
このVPSはMetaTraderプラットフォームに統合されており、EA・インジケーター・シグナル設定をそのままクラウド上に移行できます。
移行後はMetaQuotes社が管理する「Virtual Hosting Cloud」ネットワーク上で取引ターミナルが稼働し、
自動売買・シグナルコピーが中断することなく実行されます。
一般的なVPSと異なり、MetaTrader VPSはMetaTrader専用に最適化されており、
チャート表示やグラフィック処理など不要な機能を省いた軽量版ターミナルを採用。
そのため、CPU負荷が低く、注文処理の遅延(レイテンシ)を最小限に抑えられます。
また、Marketで購入したEAやインジケーターのアクティベーションを消費しない点も公式VPSならではのメリットです。
つまり、MetaTrader VPSは「EAを止めたくないトレーダーのための公式ソリューション」。
パソコンの電源を切ってもEAやシグナルは稼働し続け、通信や電力のトラブルにも強い――
そんな安定運用を、月15ドル以下で実現できる環境です。
一般VPSとの違い(プラットフォーム直結・最適化・アクティベーション消費なし)
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、一般的なVPSとは構造も目的もまったく異なる設計になっています。
その最大の特徴は、MetaTraderプラットフォームに完全統合されている点です。
一般的なVPSでは、ユーザー自身がリモートデスクトップでサーバーへ接続し、
MT4やEAファイルを手動でインストールして設定を行う必要があります。
一方、MetaTrader VPSでは、MT4/MT5内の「ナビゲーター」からわずか数クリックで設定完了。
取引口座やEA・シグナル設定が自動的にクラウドへ移行され、面倒な初期設定やファイル転送は不要です。
さらに、MetaTrader VPSはMetaQuotes社が自社設計した専用環境で動作しており、
OSの仮想化や余計なバックグラウンドプロセスを含まないため、取引処理のレイテンシを最小化できます。
CPUやメモリはMetaTrader専用に割り当てられ、サーバーの負荷による遅延や停止が起こりにくい構成です。
また、もう一つ大きな違いは「Market製品のアクティベーションが減らない」という点。
通常のVPSでは、別の環境でEAを起動するとアクティベーション回数が1つ消費されますが、
MetaTrader VPSの場合、同じアカウント内での仮想環境移行として扱われるため、アクティベーションの消費がゼロ。
MQL5マーケットで購入したEAやインジケーターを安心してクラウド稼働できます。
つまり、MetaTrader VPSは単なる「レンタルサーバー」ではなく、
MT4/MT5と一体化した自動売買専用クラウド。
導入・運用の手軽さ、最適化された処理速度、そしてアクティベーション保護によって、
一般的なVPSよりも安全で効率的なEA運用環境を提供してくれます。
どんな人に向いている?(EA常時稼働・シグナル即時コピー・在宅環境の不安回避)
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、EA(自動売買)やコピーシグナルを止めずに運用したいトレーダーに最適なソリューションです。
特に以下のようなケースでは、導入によって取引の安定性と利益機会を大きく向上させることができます。
✅ EAを24時間稼働させたい人
自宅のパソコンでEAを動かしている場合、停電・ネット切断・Windows更新などの影響でEAが止まるリスクがあります。
MetaTrader VPSを使えば、クラウド上で常時稼働するため、PCの電源を切ってもEAは継続して動作します。
また、MetaQuotes社のホスティングは99.99%の稼働率を保証しており、バックテストと同等の連続稼働環境を実現できます。
✅ シグナルトレードをリアルタイムでコピーしたい人
コピーシグナルを利用している場合、サーバーとの通信遅延が大きいと約定価格にズレが生じ、結果的にパフォーマンスが低下します。
MetaTrader VPSはブローカーサーバーに近接したデータセンターで稼働するため、通信遅延(Ping)を3〜5ms以下に抑えられる環境を提供します。
これにより、シグナル提供者とほぼ同一タイミングで取引を実行でき、ミスやスリッページを最小限に抑えられます。
✅ 在宅環境の不安を減らしたい人
ノートPCやWi-Fi回線など、不安定な環境でMT4を動かしているトレーダーにとって、VPSは大きな安心材料になります。
MetaTrader VPSを利用すれば、回線切断・電源トラブル・PCフリーズなどの心配がなくなり、
自宅環境に依存せずにプロ仕様の安定運用が可能です。
総じて、MetaTrader VPSは「EAやシグナルを止めずに動かしたいすべてのトレーダー」に向けた公式サービスです。
初期設定も簡単で、専門知識がなくてもMT4/MT5上から数クリックで導入できるため、
これからEA運用を本格化させたい初心者にも、長期運用の安定を求める上級者にもおすすめです。
料金と割引【月15ドル〜/長期最大33%OFF/24時間無料体験】
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、月額15ドルから利用できるMetaQuotes公式の仮想ホスティングです。
取引口座をMT4/MT5に追加した状態で「Register a Virtual Server」をクリックすると、利用可能なプランと料金が表示されます。
初めて利用する場合は24時間の無料体験が自動的に付与されるため、まずは性能を試してから契約を判断できます。
💰 契約期間と割引
契約期間が長いほど、1か月あたりの料金が割引される仕組みになっています。
| 契約期間 | 合計金額(USD) | 月あたり料金 | 割引率 |
|---|---|---|---|
| 1か月契約 | $15 | $15 | ― |
| 3か月契約 | $42 | 約$14 | 約7%OFF |
| 6か月契約 | $79 | 約$13 | 約12%OFF |
| 12か月契約 | $153 | 約$12.8 | 約15%OFF |
※キャンペーンやホスティング事業者により割引率が変動する場合があります。
長期利用ほどコスト効率が高く、EAの常時稼働を続けたいトレーダーにとっては年間で実質1〜2か月分お得になります。
💳 支払い方法
支払いは、以下のいずれかの方法で行えます。
- MQL5.communityウォレット(PayPal、クレジットカード、WebMoneyなどから入金可能)
- ブローカー口座から直接支払い(対応ブローカーのみ)
MQL5ウォレットを利用する場合、VPSの更新時に残高から自動で引き落とされるため、手動更新の手間がかかりません。
また、契約期間中に停止しても残り期間の返金は不可となっているため、利用期間は慎重に選ぶのがおすすめです。
MQL5ウォレットのチャージ方法は【完全ガイド】MQL5の始め方とEA購入・バックテスト方法で解説しています。
🆓 24時間無料体験の仕組み
MetaTrader VPSには、1440分(=24時間)の無料試用期間が用意されています。
体験期間中は有料プランと同等の環境を利用でき、EA・シグナル・インジケーターを実際にクラウドへ移行してテスト可能です。
試用期間が終了すると、翌日から自動的に有料プランへ切り替わります。
利用を継続しない場合は、24時間以内にVPSを停止しておくことで課金を回避できます。
低価格ながら安定稼働・低レイテンシ・簡単設定が揃ったMetaTrader VPSは、
EAを長期で運用するトレーダーにとって費用対効果の高い選択肢です。
特に「無料体験 → 3か月プランへの切替」が最も人気の高い利用パターンとなっています。
スペックと実行環境【最大3GB RAM・複数CPU・16GBストレージ】
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、自動売買とシグナルコピーの安定動作に特化した専用設計の環境です。
一般的なレンタルVPSのように汎用OSを仮想化しているわけではなく、MetaQuotes社が開発した取引専用クラウドインフラ上で稼働します。
そのため、MetaTraderターミナルが最適なリソースを直接利用でき、無駄のない高効率な実行環境が実現されています。
💡 主なスペック
- RAM(メモリ):最大3GB
- ストレージ容量:最大16GB
- CPU:複数コア(オンデマンドで割り当て)
- チャート履歴:最大50万バーまで保持
- 稼働率:99.99%以上(ホスティング事業者SLAによる)
このリソースは、MT4/MT5の実行に十分なスペックであり、複数のEAやシグナルを同時に動作させても処理落ちしにくい構成になっています。
また、MetaTrader VPSではサーバー負荷が高まる時間帯に応じてCPUコアを自動で再配分する仕組みを採用。
これにより、EAが一時的に重い計算を行っても動作が安定し、注文遅延や応答停止を防ぐことができます。
⚙️ 専用に最適化されたターミナル環境
MetaTrader VPSは、通常のMT4/MT5クライアントをそのまま稼働させるのではなく、
クラウド用に最適化された「軽量ターミナル」を使用しています。
グラフィック描画やチャート表示などの機能を無効化し、EAとシグナル実行に関わる最小限のモジュールのみを稼働。
この設計により、メモリ消費を抑えつつ、EAの処理をより正確・高速に行うことができます。
また、仮想環境内でのDLL呼び出しは完全に禁止されており、
不正コードの実行や外部ライブラリ経由の動作エラーを防ぐことで、安全性と安定性を確保しています。
🔋 信頼性とサポート
MetaQuotes社は、VPSを世界30か所以上のデータセンターに分散配置しており、
ブローカーサーバーに近いロケーションが自動選択されます。
これにより、通信遅延(Ping)が平均0〜5ms以内に収まり、
どの時間帯でもスムーズな取引実行が可能です。
問題が発生した場合は、MQL5.comを通じてMetaQuotes公式サポートに連絡でき、
リソース監視や同期ログなどの詳細データをもとに迅速な対応を受けられます。
MetaTrader VPSは「自動売買に必要な要素だけを残した最小構成のサーバー」でありながら、
複数EAを安定的に動かせるだけのパワーを持つ環境です。
この高いパフォーマンスと信頼性が、一般的な汎用VPSにはない大きな強みといえます。
レイテンシ(遅延)と約定速度【0〜5ms設計/96%が10ms未満】
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)の大きな特徴のひとつが、極めて低い通信遅延(レイテンシ)です。
MetaQuotes社は世界中の主要取引サーバーに隣接する形でデータセンターを配置しており、
そのネットワーク設計によって平均0〜5ミリ秒以内の通信遅延を実現しています。
これは家庭用インターネット環境の100〜1000倍に相当する高速応答です。
⚡ 高速約定を支えるインフラ
MetaTrader VPSは、世界30か所以上のホスティングノードから最適なサーバーを自動選択します。
ブローカーの取引サーバーと同一データセンター、もしくは非常に近いロケーションに配置されるため、
注文送信から約定までの遅延がほぼゼロに近い水準になります。
公式発表によると、全体の96%以上のユーザーが10ms未満のレイテンシを実現しており、
特にロンドン・ニューヨーク・アムステルダムのノードでは1〜3msの通信速度が一般的です。
🧠 低レイテンシがもたらす実利効果
通信遅延が短いほど、EAやコピーシグナルの注文がより正確な価格で実行されます。
たとえばスキャルピングEAやニューストレードのように数ミリ秒単位の反応速度が勝敗を左右する戦略では、
この低レイテンシ環境がスリッページの発生を最小限に抑える重要な要素となります。
また、約定速度が安定していることで、バックテストとリアルトレードの結果差(ブレ)も減少します。
🌐 家庭環境との比較
一般的な家庭のインターネット回線では、ブローカーサーバーまでのPing値は50〜200ms程度が平均です。
これに対してMetaTrader VPSでは5ms前後が標準的な値となるため、
約10〜40倍の通信効率でトレードが行われる計算になります。
特に海外FXブローカーを利用している場合、この差が**約定価格のズレ(リクオート・滑り)**に大きく影響します。
🔄 自動再接続と安定通信
MetaTrader VPSは、ネットワークの再接続機能を標準搭載しており、
万が一接続が切断されても自動で再同期を実行します。
このため、EAやシグナルの動作が途切れることはほとんどありません。
バックグラウンドでのリトライ処理により、ユーザーが気づかないうちに安定稼働を維持してくれます。
低レイテンシ・高速約定・自動再接続という3つの要素により、
MetaTrader VPSは「EAの性能を最大限に引き出す通信環境」として、
特に精度重視のトレーダーやスキャルピング系EAユーザーから高い評価を得ています。
導入手順【MT4/MT5から数クリックで登録→移行→同期】
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、MT4またはMT5のターミナルから数クリックで登録できる公式ホスティングサービスです。
複雑なサーバー設定や外部ソフトのインストールは不要で、MetaTrader内のウィザードに従うだけで数分で完了します。
🪜 ステップ1:仮想ホスティングの登録を開始
- MetaTraderを起動し、ナビゲータウィンドウの「取引口座」を右クリックします。
- メニューから「バーチャルサーバーを登録」を選択。
- 自動的に、ブローカーの取引サーバーに最も近いデータセンターが検索され、最適なロケーションが提示されます。

この時点で、無料体験(24時間)を有効化することも可能です。
登録画面で「Start 24-hour free trial」を選択すれば、すぐに仮想環境を試せます。
⚙️ ステップ2:プランと移行設定の選択
次に、利用プランを選択します(1ヶ月/3ヶ月/6ヶ月/12ヶ月から選択可能)。
料金はMQL5.comウォレットの残高から自動引き落としされます。

その後、デスクトップ端末からクラウド環境へ移行する対象を選択します。
以下の3つから選べます:
- シグナルのみ
- EAと指標のみ
- すべて(推奨)
EAやコピーシグナルを稼働させている場合は「すべて」を選択するのが一般的です。
🔁 ステップ3:環境を同期して稼働開始
移行設定を終えたら、「Synchronize」ボタンをクリックします。
すると、現在のチャート設定・EA・インジケーター・シグナル購読情報などが、
仮想端末に自動転送され、クラウド上で即時に実行されます。
同期完了後は、ナビゲータウィンドウの取引口座名に「Hosting: XXXXX(サーバー名)」と表示され、
仮想環境での稼働が始まります。
🧩 ステップ4:管理・監視
VPSが稼働すると、「ナビゲータ → 取引口座 → 詳細」メニューから、
次の情報をリアルタイムで確認できます。
- CPU・RAM・ディスク使用率
- 稼働中のEA・シグナルの状態
- ログ(同期・取引履歴など)
VPSを停止・再起動したい場合も、同じウィンドウから1クリックで操作可能です。
🚀 すぐに使える実用的な設計
MetaTrader VPSは、他社のように別途リモートデスクトップ接続を行う必要がありません。
プラットフォームに統合された設計のため、わずか数クリックで「完全移行 → 常時稼働」まで完結します。
設定後はPCをシャットダウンしても、クラウド上でEAやシグナルが稼働し続けます。
MetaTrader VPSは、初回登録から稼働まで約3分で完了するシンプルな導入プロセスが魅力です。
初心者でも迷うことなく、確実にEAを24時間稼働させることができます。
初期設定チェックリスト【移行前に必ず確認】
MetaTrader VPSへEAやシグナルを移行する前に、いくつかの初期設定を確認しておくことで、移行後のトラブルを防ぐことができます。
以下は、移行直前にチェックすべき項目をまとめた実践的なチェックリストです。
✅ 1. EAの動作確認(デスクトップ上で正常稼働しているか)
VPSに移行する前に、必ずローカル環境でEAが正常に起動しているかを確認しましょう。
チャート上に笑顔マーク(MT4)またはアクティブ状態(MT5)が表示されていれば問題ありません。
EAのパラメータやMagicNumberなどもこの段階で確定させておきます。
✅ 2. 自動売買(AutoTrading)が有効になっているか
VPSへ移行しても、ローカル環境の設定が「自動売買オフ」だとクラウド側でもEAが起動しません。
ターミナル上部の「AutoTrading」ボタンが緑色になっていることを確認してから同期を行いましょう。
💡ヒント:EAを稼働させたいチャートだけが「AutoTrading」を許可しているかを個別に確認すること。
✅ 3. 必要なチャートと時間足のみを開く
仮想環境では最大32チャート(無料体験では16)までしか移行されません。
使用していない通貨ペアや不要な時間足のチャートは閉じておくことで、
VPSのリソース消費を抑え、安定性を向上させることができます。
✅ 4. WebRequest・通知・メール設定を確認
VPSではDLLが使用できないため、外部通信が必要なEAの場合はWebRequestの許可URLを事前に登録しておきましょう。
また、トレード通知を受け取りたい場合は「ツール → オプション → 通知/メール」タブから設定を済ませておきます。
✅ 5. VPS同期対象を確認(EA・インジ・シグナル)
移行時には、以下の3種類の同期モードが選べます。
- EAとインジケーターのみ
- シグナルのみ
- すべて(推奨)
複数のEAやシグナルを利用している場合は「すべて」を選択することで、稼働環境を完全に複製できます。
✅ 6. MQL5アカウントの残高確認
VPSの契約・更新はMQL5.comウォレット残高から自動引き落としされます。
残高が不足していると登録がエラーになるため、事前に最低15ドル以上の入金を済ませておきましょう。
(PayPalやクレジットカードで即時入金が可能です。)
✅ 7. チャート履歴の事前ダウンロード
バックテストやインジケーターの初期化時に必要な**ヒストリカルデータ(チャート履歴)**は、
移行前に一度チャートをスクロールして読み込んでおくと、VPS上でのデータ再取得時間を短縮できます。
✅ 8. 同期ログの確認
初回同期後は、ターミナルの「ログ」タブを開いて、
「Environment successfully synchronized」というメッセージが出ているかを確認します。
エラー(赤文字)が表示された場合は、移行対象を減らして再同期を行うのが効果的です。
この8項目を事前に確認しておくことで、
MetaTrader VPS移行後にEAが動かない・シグナルがコピーされないといったトラブルを防げます。
移行作業そのものは数分で終わりますが、準備の丁寧さが安定稼働の鍵になります。
💡 EAを正しく稼働させるための初期設定やインストール手順は、
👉 MT4にEA・インジケーター・スクリプトをインストールする方法
で詳しく解説しています。
うまくいかない時の対処法
MetaTrader VPSの設定はシンプルですが、初回移行後にEAが動かない・同期が完了しない・シグナルがコピーされないなどのトラブルが起きる場合があります。
ここでは、よくある不具合の原因と解決手順をまとめました。
⚠️ 1. EAが稼働していない(笑顔マークが消えている)
EAが動作しない最も一般的な原因は、自動売買(AutoTrading)が無効になっていることです。
VPSへ移行する際、ローカル環境でAutoTradingがOFFだと、その状態がクラウドにも引き継がれます。
対処法:
- デスクトップでEAを再起動し、「AutoTrading」を有効化。
- 再度「エキスパート/インディケーター/シグナルを同期」を実行。
- VPSログに「Expert successfully started」と表示されることを確認。
⚠️ 2. 同期後もEAやインジケーターが動作しない
MetaTrader VPSではDLLが禁止されているため、外部ライブラリを呼び出すタイプのEAは起動しません。
また、複数チャートを開きすぎて(無料版では最大16、通常は32)上限を超えると、一部が同期されないこともあります。
対処法:
- EAコード内に
#importや DLL呼び出しが含まれていないか確認。 - 使用するチャート数を減らして再同期。
- 「Experts」タブのエラーログを確認し、「cannot call DLL function」などのメッセージがあればEAの仕様を見直す。
⚠️ 3. VPSが同期されない・「Environment not synchronized」と表示される
同期失敗は、ネットワーク遅延やアカウント認証エラーが原因で起こる場合があります。
また、MQL5.comアカウントのサインイン状態が切れている場合も同期されません。
対処法:
- MetaTraderの「ツール → オプション → コミュニティ」タブで、MQL5.comアカウントに再ログイン。
- VPSの接続を一度停止し、再度「Synchronize」を実行。
- 「ログ」タブで「Environment successfully synchronized」と表示されることを確認。
⚠️ 4. VPSが動作しているか分からない
移行後、チャートが動かない/シグナルが反映されない場合は、仮想環境がまだ起動していないか、同期内容に問題があることが多いです。
確認方法:
- 「ナビゲータ → 取引口座 → 詳細」からVPSステータスを確認。
- CPU・RAMの使用量が0の場合、VPSが稼働していません。
- 再同期または再起動を行い、リソース使用が増加すれば正常稼働。
⚠️ 5. EAやシグナルが一時停止される
MQL5 VPSでは、サーバーメンテナンス(最大4時間/週末実施)や通信遮断によって一時停止される場合があります。
この場合でも取引データは保存され、再接続後に自動復旧します。
対処法:
- 「VPSログ」にメンテナンスメッセージが出ているか確認。
- 数時間待って自動再開しない場合は、MetaQuotesサポートに問い合わせ。
🧭 最後の手段:VPSの再同期
何を試してもうまく動作しない場合は、一度すべてのEAを停止→再同期を行うのが最も確実です。
再同期してもチャート設定やEAファイルは失われません。
再同期手順:
- EA・シグナルを停止
- 「右クリック → 同期」または「Synchronize environment」実行
- VPSログで「successfully started」を確認
トラブルの多くは設定ミスや同期不完全が原因であり、
手順を正しく行えば99%のケースで解決可能です。
慣れてくると、トラブル対応も1〜2分で終わるようになります。
EAがVPS上で動かない場合のチェックリストは
👉 MT4 EAが起動しない・エントリーしない理由と設定確認ポイント【完全ガイド】
を参考にすると解決が早いです。
一般VPSとの違い【FX専用最適化/CPU割当/アクティベーション保持】
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、一般的なWindows型VPSとは構造がまったく異なります。
一言でいえば、**「MT4/MT5の口座ごとに最適化されたクラウド環境」**であり、
PCやリモートデスクトップを使わず、プラットフォーム内から直接稼働させる仕組みです。
⚙️ 1. 「1つの口座につき1VPS」構成
最大の特徴は、1VPS=1取引口座専用という制限です。
一般的なVPSでは複数のMT4を同時に立ち上げられますが、MetaTrader VPSではそれができません。
つまり──
- 1口座を24時間自動売買したい場合 → ✅ MetaTrader VPSが最適
- 複数の口座やブローカーを同時に稼働したい場合 → ❌ MetaTrader VPSでは不可(一般VPSが必要)
この仕組みにより、システムの安定性とセキュリティが保証され、
口座単位で安全にEAやシグナルを常時稼働できるという明確なメリットがあります。
🧠 2. 複数EA・シグナルの併用は「同一口座内」で可能
1VPSにつき1口座制限ではありますが、同一口座内であれば複数EAやシグナルを同時稼働可能です。
有料プランでは最大32チャートまで、無料体験では最大16チャートまで移行できます。
たとえば、1口座でUSDJPY・EURUSD・GBPJPYのEAを同時に走らせている場合、
それらすべてをVPSへ一括で同期して稼働させることが可能です。
💡 注意点:EAとシグナルを同時稼働させることもできますが、
同一通貨ペアを両方が取引するとポジションが競合するリスクがあるため、設定には注意が必要です。
🧩 3. FX専用に最適化された環境
MetaTrader VPSは、FXトレード専用に設計されたOS構成を持ち、
描画機能やGUIを完全に削除した軽量クラウド版ターミナルで稼働します。
これにより、余分なプロセス負荷がなく、
EAやシグナルの処理速度を優先的に確保できます。
さらに、CPU・メモリは動的に割り当てられ、
EAの稼働状況に応じて自動的にリソースが最適化されます。
結果として、一般的なWindows VPSよりも安定した遅延のない実行環境が得られます。
🔒 4. アクティベーションを消費しない(マーケットEA対応)
通常、他社VPSにMT4をインストールしてMQL5マーケット製EAを使用すると、
1回分のアクティベーションが消費されます。
しかし、MetaTrader VPSではMQL5の公式クラウド上で動作するため、
アクティベーション数を消費せずにEAを移行可能です。
これは、複数口座や複数PCでの稼働を避けたいEAユーザーにとって大きな利点です。
🚀 5. 通信遅延・安定性の優位性
MetaTrader VPSは、ブローカーサーバーに最も近いノードを自動的に選択し、
最大80%の接続で5ms未満のPing値を実現します。
加えて、サーバー稼働率は99.99%保証(SLA準拠)。
家庭用PCや一般VPSの再起動・切断トラブルと比べ、圧倒的に安定した接続が得られます。
💰 6. コストパフォーマンスと利用イメージ
MetaTrader VPSは、
- 月15ドル(年契約で月12ドル台)
- 初回24時間の無料体験付き
という低コストで利用できます。
他社VPS(30〜100ドル/月)と比較しても、
EAやシグナルを止めずに動かすだけの用途なら、コスパは圧倒的です。
| 比較項目 | 一般的なVPS | MetaTrader VPS |
|---|---|---|
| 稼働口座数 | 複数可能 | 1口座のみ |
| 複数EA | 可能 | 同一口座内で可能(最大32チャート) |
| シグナル併用 | 可能 | 同一口座内で可能 |
| DLL使用 | 可 | 不可 |
| 遅延(Ping) | 30〜200ms | 0〜5ms |
| 稼働率 | 約99% | 99.99% |
| 月額料金 | 30〜100USD | 15USD以下 |
| 管理方式 | リモート接続(RDP) | MT4/MT5内から直接操作 |
つまり、MetaTrader VPSは「複数運用」には向かないものの、
1つのEA・1つの口座を“止めずに運用する”目的においては最適解です。
そのシンプルな構成と最小遅延設計により、
初心者でもすぐに安定した自動売買環境を構築できます。
利用上の注意点【DLL不可・手動操作制限・返金条件】
の本文案を以下に示します。
このパートでは、MQL5 VPSの制限や利用時の落とし穴をわかりやすく説明し、
「知らずに損をしない」ための実践的な注意点を整理しています。
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は手軽で安定した環境を提供しますが、
通常のVPSとは異なる制限や注意点も存在します。
導入前にこれらを理解しておくことで、トラブルや想定外の停止を防げます。
⚠️ 1. DLLの使用は禁止
MetaTrader VPSではDLL(外部ライブラリ)を使用するEAやインジケーターは動作しません。
これはセキュリティ上の制限であり、MetaQuotesのサーバー環境では外部モジュールの実行がブロックされます。
以下のようなEAは、VPS上ではエラーを起こして停止します:
- ニュース取得などに外部DLLを使うEA
- 独自ライセンス認証DLLを呼び出すEA
- Windows APIを使うインジケーター
💡 対策:
#import構文を含むEAはローカルPCで稼働させるか、DLL対応の一般VPSを使用しましょう。
🧩 2. 手動操作やスクリプトの実行はできない
MetaTrader VPSは「完全自動運用」に特化しており、
チャート操作・手動エントリー・スクリプト実行などのインタラクティブな操作はできません。
仮想端末はバックグラウンドで動作するため、
EAやシグナルの設定変更を行いたい場合は、
一度ローカル端末側で変更してから再同期(Synchronize)を行う必要があります。
🧠 3. 移行後はチャート表示がなくなる(GUIなし)
VPS上のMetaTraderは軽量化されたヘッドレス(GUIなし)環境で稼働します。
そのため、仮想端末内でチャートを開いたり価格を確認することはできません。
動作確認はローカルのMT4/MT5からログや履歴を参照する形になります。
🔄 4. 無料体験は「24時間限定・1回のみ」
MetaTrader VPSには24時間の無料トライアルがありますが、これは1口座につき1回のみです。
MQL5アカウントを変えても、PCの識別情報により再体験はできません。
試用目的の場合は、EAやシグナルを短期で移行して動作を確認するのがベストです。
💸 5. 契約中途の返金・日割りはなし
一度契約した期間(1ヶ月・3ヶ月など)は途中解約しても返金や日割りは行われません。
ただし、契約開始から24時間以内であれば全額返金が可能です。
EAが正常に動かない場合や接続テストに失敗した場合は、
早めにキャンセル申請を行いましょう。
🔁 6. サーバーメンテナンス時の一時停止
MetaQuotesのVPSサーバーは週末に最大4時間までメンテナンスが行われます(EET時間基準)。
この間は一時的にEAが停止しますが、取引データは保存され、再稼働後に自動的に復旧します。
週末メンテナンスを避けたい場合は、重要なEAを平日中に稼働させておくのがおすすめです。
🪙 7. 自動更新は残高がある場合のみ継続
MetaTrader VPSはデフォルトで**自動更新(Auto Renew)**設定がONになっています。
しかし、MQL5ウォレットに残高が不足している場合は、契約が切れ自動停止します。
EAが突然止まるリスクを避けるため、月額料金+予備数ドルを常に残高に入れておきましょう。
✅ まとめ:MetaTrader VPS利用時の禁止・注意事項一覧
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| DLL使用 | 不可 |
| 手動取引・スクリプト | 不可 |
| シグナル&EA同時稼働 | 可能(同口座内のみ) |
| チャート操作 | 不可(GUIなし) |
| 無料期間 | 24時間のみ(再利用不可) |
| 返金 | 24時間以内のみ可 |
| 自動更新 | ウォレット残高が必要 |
| 稼働率 | 99.99%(週末メンテあり) |
MetaTrader VPSは非常に安定した環境ですが、
「何でもできる汎用サーバー」ではなく、EAやシグナルを安全に常時稼働させるための専用基盤です。
制限を理解したうえで使えば、月15ドルで極めて安定した自動売買環境を得られます。
よくある質問(FAQ)
- MetaTrader VPSは複数の口座で使えますか?
-
いいえ。
1つのVPSにつき1つの取引口座のみ稼働できます。
複数口座やブローカーを同時運用したい場合は、口座ごとにVPSを契約するか、
Windows系の一般VPSを利用してください。 - 1つのVPSで複数のEAを同時に動かせますか?
-
はい、可能です。
ただし、同一口座内での稼働に限られ、
**最大32チャート(無料体験版では16)**までが上限です。
複数EAを稼働する場合は、すべてのチャートを開いた状態で同期(Synchronize)を行いましょう。 - 無料体験をもう一度使う方法はありますか?
-
いいえ。
MetaTrader VPSの24時間無料体験は1回のみです。
MQL5アカウントを新しく作っても、PCの識別情報で管理されているため再試用はできません。
1回の無料体験で動作確認を済ませてから、本契約に進むのが理想です。 - EAがVPS上で動かない場合はどうすればいいですか?
-
まずは以下の3点を確認してください:
- 自動売買(AutoTrading)がONになっているか
- DLLを使用するEAではないか
- 同期後のログに「successfully started」と出ているか
DLLを使うEAはMetaTrader VPSでは動作しないため、
外部ホスティング(一般VPS)を利用する必要があります。 - MetaTrader VPSを停止したい/解約したいときは?
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MT4/MT5の「ナビゲータ → 口座を右クリック → 詳細 → VPS」から
「自動更新のチェックを外す」ことで、次回更新時に自動停止します。
契約期間中に解約しても返金はありませんが、
開始から24時間以内なら全額返金が可能です。 - EAやシグナルの設定を変更したいときは?
-
MetaTrader VPS内では手動操作ができません。
設定を変える場合は、ローカル端末で変更したうえで
再度「同期(Synchronize)」を実行してください。
これにより、新しい設定がVPS環境に反映されます。 - 通信遅延(Ping)はどのくらいですか?
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ブローカーサーバーにより異なりますが、
MetaTrader VPSでは84%のサーバーで3ms未満、96%で10ms未満のレイテンシを実現しています。
ローカル環境や他社VPSに比べ、取引遅延はほぼゼロに近い水準です。 - VPSを一時停止すると稼働時間は延長されますか?
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いいえ。
MetaTrader VPSでは、停止しても契約期間は進行し続けます。
必要がない期間は「自動更新OFF」に設定し、
契約満了をもって自然停止させるのがスマートです。 - VPSが停止するとEAやシグナルはどうなりますか?
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VPSが停止すると、EA・シグナルともに完全に稼働停止します。
再契約または再同期を行うまで再開されません。
取引を継続したい場合は、必ず自動更新設定をONにしておきましょう。 - VPSで稼働しているEAや取引のログは確認できますか?
-
はい。
MT4/MT5の「ナビゲータ → 口座を右クリック → 詳細」から、
VPSのCPU・RAM使用率や、**リモートターミナルのジャーナル(ログ)**を確認できます。
EAの動作ログや同期履歴はすべてここに記録されます。 - MetaTrader VPSはどのEAにも使えますか?
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基本的に使えますが、以下のEAは動作しません:
- DLLを使用するEA
- 外部ファイルへの書き込みを必要とするEA
- 手動操作を前提とした半自動型EA
動作要件が特殊なEAは、事前にローカルで検証しておくのが安全です。
- VPS契約中にPCをシャットダウンしても大丈夫?
-
はい、大丈夫です。
MetaTrader VPSはクラウド上で稼働しているため、
PCをオフにしてもEAやシグナルは動き続けます。
ローカルの電源やネット回線に依存しないのが最大の利点です。
まとめ|MetaTrader VPSはEA運用の“安定装置”
MetaTrader VPS(MQL5 VPS)は、EAやコピートレードを24時間止めずに運用するための最もシンプルな公式環境です。
複雑な設定やサーバー管理は不要で、MT4/MT5から数クリックでEAをクラウドへ移行できます。
一般VPSのように複数口座を同時稼働させることはできませんが、
1つの口座に特化して超低遅延・高稼働率・自動復旧機能を備えている点は大きな強みです。
💡 EA運用における最大のリスクは「止まること」。
MetaTrader VPSは、そのリスクをほぼゼロにする“安定装置”です。
✅ MetaTrader VPSがおすすめな人
- 自動売買EAを24時間稼働させたい
- PCを閉じても取引を継続したい
- VPS設定やリモート接続が面倒
- MQL5マーケットのEAを使っていて、アクティベーションを節約したい
- 低コストで公式サポート付きのVPSを使いたい
💬 おすすめポイント
MetaTrader VPSは、外部VPSと違い、MetaQuotes社が公式に運用・保守しています。
そのため、EAが落ちる・再起動が必要になるといったトラブルが極めて少なく、
「MT4を動かしっぱなしにしたいけど、PCをつけっぱなしにしたくない」というトレーダーには理想的な選択肢です。
🚀 次のステップ
もしまだ利用していない方は、まず24時間無料トライアルで試してみましょう。
EAを1つ移行して動作を確認すれば、使いやすさと安定性を実感できます。
💻 MT4/MT5のナビゲータから
「取引口座を右クリック → 仮想サーバー登録」
を選ぶだけで、即稼働できます。
MetaTrader VPSは、EAを止めないための最短ルート。
MT4/MT5を本格的に使うなら、今すぐ環境を整えておきましょう。

