EAとは?仕組み・メリット・デメリット・注意点を初心者向けに解説

EAとは?仕組み・メリット・デメリット・注意点を初心者向けに解説
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EA(自動売買)に興味はあるけど、
「結局EAってなに?どうやって動くの?本当に使って大丈夫?」と不安に感じていませんか。

EAは、あらかじめ決めたルールに従ってエントリーから決済までを自動化できるプログラムです。
うまく使えば、感情に左右されにくくなり、検証と改善を重ねながら安定運用を目指せます。
一方で、相場環境の変化・スプレッドや約定の差・設定ミスなどで、思わぬ損失につながることもあります。

この記事では、EA初心者の方に向けて、EAの仕組み・メリット/デメリット・注意点・失敗しない選び方までをまとめて解説します。
あわせて、TOKYO-EA内の「導入手順」「起動しない時の対処」「EAを見極める基準」などの関連記事にも内部リンクでつなぎ、この記事1本で全体像がつかめる構成にしています。

「まずはEAを正しく理解して、安全に始めたい」という方は、このまま読み進めてください。

目次

EAとは?(自動売買)を一言でいうと

EA(エキスパートアドバイザー)とは、MT4/MT5上で動く「自動売買プログラム」のことです。
あらかじめ決められたルール(条件)に従って、エントリー(新規注文)から決済(利確・損切り)までを自動で行います。

たとえば、

  • 「移動平均が上向きで、押し目になったら買う」
  • 「一定の利益が出たら利確、一定の損失で損切りする」
  • 「スプレッドが広い時間帯は取引しない」

といった判断を、EAが機械的に実行します。

裁量トレードと違い、感情や迷いでルールがブレにくいのが特徴です。
ただし、EAは“勝手に賢くなる”わけではなく、作られたルール通りに動くだけなので、仕組みと注意点を理解した上で使うことが大切です。

EA=Expert Advisor(エキスパートアドバイザー)の意味

EAは英語で Expert Advisor の略で、直訳すると「専門家の助言者」です。
MT4/MT5の世界ではこの言葉がそのまま「自動売買プログラム」を指す名称として定着しています。

よく似た言葉に「ロボット」「自動売買ツール」「自動売買ソフト」などがありますが、MT4/MT5で動くものは基本的にEAと考えてOKです。

EAでできること(エントリー・決済・損切り・利確・管理)

EAができることは、大きく分けて次の5つです。

  • エントリー(新規注文):買い・売りを自動で出す
  • 決済(手仕舞い):利益確定や損切りを自動で行う
  • 損切り(SL)・利確(TP)の設定:注文と同時に自動設定できる
  • トレーリングストップや建値移動:利益を伸ばす/損失を抑える管理ができる
  • 取引制限やフィルター:時間帯・スプレッド・ニュース回避などの条件を追加できる

つまりEAは「自動で売買する」だけでなく、ポジション管理・リスク管理の一部まで自動化できるのが強みです。
次の章では、EAがMT4/MT5の中でどのように動いているのか、仕組みをもう少し具体的に見ていきます。

EAの仕組み|MT4/MT5で「どうやって動く?」を図解イメージで理解

EAは「MT4/MT5にインストールして、チャートにセットすると動く」仕組みです。
その裏側では、価格データ(ティック/ローソク足)が更新されるたびに、EAが条件判定を行い、条件を満たせば注文を出す──という流れになっています。

イメージとしては、以下のような“自動ループ”です。

  1. 相場が動く(価格が更新される)
  2. EAがルールをチェックする(今は買い?売り?何もしない?)
  3. 条件一致なら注文を出す(エントリー)
  4. SL/TPや管理ルールで決済する(利確・損切り・建値移動など)
  5. 以後、同じことを繰り返す

ここを理解すると、**「なぜ動かないのか」「なぜ想定と違う動きになるのか」**が説明しやすくなります。

「MT4にEAをインストールする方法(画像付き)」

EAはどこに入る?(MT4/MT5上で動くプログラム)

EAは、MT4/MT5の中に入れて使うプログラムです。
インストールすると「ナビゲーター」に表示され、そこからチャートへドラッグ&ドロップして稼働させます。

重要なのは、EAはPC上で単体動作するソフトではなく、MT4/MT5が動いている間だけ稼働するという点です。
MT4を閉じればEAも停止しますし、通信が切れれば注文も通りません。

「VPSを使う人がいる」のは、EAを24時間安定稼働させたいケースがあるからです(必要かどうかは後半で整理します)。

注文が出るまでの流れ(条件判定→発注→決済)

EAの注文は基本的に次の順番で行われます。

  • 条件判定:インジケーター値やローソク足、時間帯などをチェック
  • 発注:成行/指値/逆指値などで注文を送信
  • 初期設定:損切り(SL)・利確(TP)・ロットなどをセット
  • 保有中の管理:建値移動、トレーリング、分割決済など
  • 決済:利確・損切り、またはルールにより手動的にクローズ

ここで初心者がつまずきやすいのが、**「条件は満たしてる気がするのにエントリーしない」**というケースです。
多くは「スプレッド制限」「取引時間」「最大ポジション数」「ニュース回避」「口座条件(最小ロット/必要証拠金)」など、見えにくい制限条件が原因になりがちです。

EAが起動しない・エントリーしない理由と設定確認ポイント

EAの中身は何?(ロジック/パラメータ/マジックナンバー)

EAは「ルールの塊」です。主に次の要素で構成されます。

  • ロジック(売買ルール):どんな条件で買う/売る/決済するか
  • パラメータ(入力設定):ロット、SL/TP、時間帯、フィルターなど変更できる項目
  • マジックナンバー(識別ID):複数EAや複数通貨を同時運用する時の“区別のための番号”

特に大事なのがパラメータです。
EAは同じでも、パラメータが違えば別物レベルで挙動が変わります。

初心者のうちは、まずは「推奨設定」や「初期設定」のまま動かし、どのパラメータが何に効いているかを少しずつ理解していくのが安全です。

インジケーター型EA・裁量補助EAなどの違い

EAにはいくつかタイプがあります。代表的なのはこのあたりです。

  • 完全自動売買EA:エントリー〜決済まで全部自動
  • インジケーター型EA:インジケーターの条件で売買(MA、RSI、ボリンジャー等)
  • 裁量補助EA(半自動):決済だけ自動、建値移動だけ自動、損失制限だけ自動など
  • 管理系EA:トレーリング、分割決済、損益制限、同時ポジ数制限など“守り”に特化

初心者が最初に安心しやすいのは、いきなり“全部お任せ”にするより、
損益制限・決済補助などの管理系(守り系)EAから入ることです。

EAを使うメリット|初心者が得しやすいポイント

EA(自動売買)のメリットは、「勝てる魔法のツール」だからではありません。
最大の価値は、ルール通りに実行できることと、検証→改善のサイクルを回しやすいことにあります。

裁量トレードは、どうしても感情・迷い・生活リズムの影響を受けます。
一方EAは、同じ条件なら同じ判断を繰り返すため、良くも悪くも“ブレ”が少ないのが特徴です。

ここでは、初心者が特に恩恵を受けやすいメリットを整理します。

感情に左右されにくい(ルール通りに実行)

初心者が負けやすい原因のひとつが、「分かっているのに守れない」問題です。

  • 損切りが遅れて傷が深くなる
  • 利益が出ると早く利確してしまい伸ばせない
  • 連敗すると取り返そうとしてロットを上げてしまう

EAは、事前に決めた条件に従って淡々と売買するため、
この“感情のブレ”を減らしやすくなります。

ただし、EAでも 設定(ロット・損切り・停止条件)が雑だと同じように負けます
「感情が消える=勝てる」ではなく、ルールを守る土台が作りやすいというのが正確なメリットです。

24時間監視が不要になりやすい(張り付き負担の軽減)

EAはチャートを監視し続けなくても、条件に合えば自動で売買します。
そのため、仕事や家事で張り付きが難しい人でも、取引機会を逃しにくくなります。

とはいえ、完全放置が必ず正解というわけではありません。
初心者のうちは、

  • まずはデモ口座で挙動を確認
  • 次に**少額(ロット固定)**で慣れる
  • 異常時に止める判断基準を持つ

この順番で“放置できるレベル”を上げていくのがおすすめです。

検証・改善がしやすい(バックテストの存在)

EAの強みは、運用前に「過去データでの成績」を確認できる点です。
これがいわゆるバックテスト(ストラテジーテスター)です。

バックテストでできることは、例えば以下です。

  • 長期で見てプラスになりやすいか
  • 最大ドローダウン(最大の含み損/下落)がどの程度か
  • どんな相場(トレンド/レンジ)で強い・弱いか
  • ロットを上げたら破綻しそうか(リスクの大きさ)

もちろんバックテストは万能ではなく、
スプレッド・約定・相場の変化で「リアルとズレる」こともあります。
それでも、何も検証せずに始めるより、事故確率を下げられるのは大きな利点です。

※バックテストの手順や注意点は、こちらで画像付きでまとめています。
MT4マニュアル|EAの導入・設定・バックテスト完全ガイド

ルールが再現しやすい(同条件で比較できる)

裁量トレードは、同じ手法のつもりでも「人の判断」でブレます。
一方EAは、同じ条件なら同じトレードをしやすいので、改善の議論がしやすくなります。

  • パラメータを変えたらどう成績が変わったか
  • 相場のどの局面で弱くなるか
  • DD(下落)を減らすなら、どこを変えるべきか

このように、原因→対策を比較しやすいのがEAの強みです。
初心者ほど「感覚」より「再現性」に寄せたほうが上達が早くなりやすいので、EAは学習ツールとしても有効です。

EAのデメリット(落とし穴)|ここを知らないと事故る

EAは便利ですが、仕組みを理解せずに「放置で稼げる」と思うと失敗しやすいです。
初心者がつまずくポイントは、だいたい次の4つに集約されます。

  • 相場が変わると成績も変わる
  • 取引コストや約定条件で“結果が別物”になる
  • バックテストの見た目が良くても、実運用で崩れることがある
  • 設定や環境のミスで、そもそも動かない/変な動きをする

ここを先に理解しておくと、EA選びも運用も「事故率」が大きく下がります。

相場が変わると成績が変わる(永遠に勝ち続けるEAはない)

EAは“相場を読むAI”ではなく、決められたルールを実行するだけです。
つまり、ルールが得意な相場なら勝ちやすく、苦手な相場なら負けやすくなります。

たとえば、

  • トレンドフォローEA:トレンド相場は強いが、レンジで負けやすい
  • 逆張りEA:レンジは強いが、強いトレンドで負けやすい
  • ブレイクアウトEA:レンジ抜けは強いが、ダマシで負けやすい

という具合です。

よくある失敗は、「直近で調子が良かったEAを、そのまま信じてロットを上げる」こと。
相場環境が変わった瞬間に成績が崩れ、取り返しがつかなくなるケースがあります。

結論として、EAは “長期でそこそこ良い”を狙うもので、
“永久に勝つ聖杯”を探すほど危険度が上がる、と覚えておくのが安全です。

スプレッド・約定・手数料・スワップの影響が大きい

EAは、取引回数が多いほど「コストの影響」を強く受けます。
特にスキャルピング系では、スプレッドが少し広がるだけで成績が崩れることも珍しくありません。

影響が出る代表例は以下です。

  • スプレッド:広がると、エントリー直後から不利になる
  • スリッページ(約定ズレ):想定価格で約定せず、利幅が削られる
  • 手数料:低スプレッド口座でも手数料で実質コストが上がる
  • スワップ:長期保有でプラスにもマイナスにも効く

バックテストで良く見えても、運用する口座タイプや時間帯が違うだけで結果が変わることがあります。
なので、EAは「ロジック」だけでなく、運用環境込みで評価する必要があります。

過剰最適化(カーブフィッティング)の罠

バックテストが綺麗すぎるEAほど注意が必要です。
なぜなら、過去の値動きに合わせすぎた設定(過剰最適化)だと、未来の相場で通用しないことがあるからです。

典型的な例は、

  • PFが異常に高い
  • DDがほぼ無い
  • 取引回数が少なく、たまたま勝っている
  • 特定期間だけ突出している

といったパターンです。

初心者ができる対策としては、

  • 期間を変えても大崩れしないかを見る
  • 取引回数が十分かを確認する
  • 1年だけでなく、複数年で傾向を見る

この3つだけでも“当たり外れ”をかなり減らせます。

EAの見極め方(チェック項目の具体例)は、こちらで詳しく解説しています。
MT4のマーケットで勝てるEAを見極める具体的な方法(内部リンク)

設定ミス・環境差(VPS/回線/MT4設定)で動かないことがある

初心者が一番困るのが、「入れたのに動かない」問題です。
これはEAの不具合というより、MT4側の設定や環境が原因なことがほとんどです。

よくある原因は次の通りです。

  • 自動売買ボタンがOFF
  • EAの設定で「自動売買を許可」がOFF
  • DLL許可がOFF(EAによって必要)
  • 口座の最小ロット・必要証拠金を満たしていない
  • スプレッド制限や時間帯制限に引っかかっている

「動かない・エントリーしない」ときの確認ポイントは、こちらにチェックリストでまとめています。
MT4 EAが起動しない・エントリーしない理由と設定確認ポイント【完全ガイド】

EAの種類|初心者は“タイプ”で選ぶと失敗しにくい

EA選びで迷う最大の理由は、「種類が多すぎて比較できない」ことです。
初心者のうちは、細かいロジックの違いを追うよりも、まず “タイプ(性格)”で分類して選ぶほうが失敗しにくくなります。

ここでは、EAを選ぶときに役立つ代表的な分類をまとめます。

トレンドフォロー型/逆張り型/ブレイクアウト型の特徴

まず押さえたいのが、売買の基本タイプです。

トレンドフォロー型(順張り)
トレンド(上昇・下降)が出た方向に乗るタイプ。

  • 得意:はっきりしたトレンド相場
  • 苦手:レンジ相場(行ったり来たりで損切りが増えやすい)

逆張り型
行き過ぎた動きを“戻り”狙いで取るタイプ。

  • 得意:レンジ相場
  • 苦手:強いトレンド(逆らって捕まりやすい)

ブレイクアウト型
レンジを上抜け/下抜けした“抜けた勢い”を取るタイプ。

  • 得意:レンジ→トレンドに切り替わる局面
  • 苦手:ダマシ(抜けたと思ったら戻る)

この3つは、優劣ではなく「相性」です。
だからこそ、初心者は 自分が想定する相場環境(レンジ多め?トレンド多め?) と合わせて選ぶのが大切です。

具体例として、TOKYO-EAではタイプ別に同条件で比較検証した記事もあります。
逆張りEAの検証記事
ブレイクアウトEAの比較記事

スキャルピング・デイトレ・スイングの違い(時間足で変わる)

次に重要なのが「取引スタイル(時間軸)」です。
同じ順張りでも、時間軸が違うと別物になります。

  • スキャルピング:数秒〜数分で決済が多い(M1〜M5が多い)
  • デイトレ:数十分〜数時間で完結(M15〜H1が多い)
  • スイング:数日〜数週間保有することも(H4〜D1が多い)

初心者が知っておくべきポイントは、
短期ほどコスト(スプレッド・約定ズレ)の影響が大きいということです。

逆に、スイングはコスト影響が相対的に小さくなる一方で、
含み損やスワップの影響、急変動(週明けギャップなど)への備えが必要になります。

「自分の生活リズム的に、どこまで監視できるか」も含めて、
無理のない時間軸を選ぶと運用が続きやすいです。

グリッド型の特徴と注意点(手法として理解する)

グリッド型(Grid)は、一定間隔で注文を並べていくタイプで、
相場が上下する“値幅”を取りにいく設計が多いです。

  • 得意:上下に行ったり来たりするレンジ
  • 苦手:一方向に伸び続ける強いトレンド

特徴として、利益はコツコツ積み上がりやすい一方で、
相場が一方向に伸びると含み損が増えやすく、資金管理が非常に重要です。

初心者は、グリッド型を見るときに最低限この3つを確認してください。

  • 最大ポジション数(無制限になっていないか)
  • ロットの増やし方(段階的に増える設計か)
  • 最悪ケース時のDD(資金が耐えられるか)

※グリッドは「資金管理の難しさ」が出やすいので、
最初から大きなロットで回すのは避けたほうが安全です。

ナンピン・マーチン・ヘッジは「資金管理/ポジション管理」として理解する

ここが混乱しやすいポイントですが、
ナンピン・マーチンゲール・ヘッジは「売買タイプ」そのものというより、
資金管理/ポジション管理のやり方です。

  • ナンピン:不利な方向に動いたら、追加で建てて平均値を近づける
  • マーチン:負けたら次のロットを増やして取り返す設計(リスク増大)
  • ヘッジ:買いと売りを同時に持ち、リスクを調整する設計

これらは“使い方次第”でメリットもありますが、
初心者が一番やりがちなのは「危険度を理解せずに稼働」することです。

特にマーチンは、勝率が高く見えやすい一方で、
負けが一度大きく来ると口座が耐えられないリスクが出ます。
なので、成績を見るときは勝率だけでなく、DDや最悪ケースの想定が必須です。

EAの選び方|初心者が見るべきチェックリスト

EA選びで大事なのは、「良さそう」ではなく “事故らない”順番で確認することです。
初心者が最初にやるべきなのは、難しい最適化ではなく、次のチェックリストで“地雷”を避けること。

ここでは、TOKYO-EAで検証記事を書くときにも使えるように、指標の見方+落とし穴+判断基準をまとめます。

まず確認すべき指標(PF/勝率/DD/取引回数)※見方の注意もセットで

EA評価でよく使われる代表指標はこの4つです。

PF(プロフィットファクター)
総利益 ÷ 総損失。1を超えるほど理論上はプラス。

  • 目安:1.2〜1.5以上で“検討”、2.0超は良く見えるが要注意(理由は後述)

勝率
勝ちトレードの割合。

  • 注意:勝率が高くても、負けが一回で大きいと意味がありません(“コツコツドカン”の危険)

DD(ドローダウン)
資金がどれだけ落ち込むか(最大下落)。

  • 初心者が最優先で見るべき指標
  • 目安:低いほど良いが、「低すぎるDD」は過剰最適化や取引回数不足の疑いもあります

取引回数
統計として信頼できるだけのサンプルがあるか。

  • 取引回数が少ないと「たまたま勝った」可能性が上がる
  • 目安として、少なくとも数百〜(期間とスタイルにより変動)

初心者向けの結論はシンプルで、
勝率よりDD、DDより“最悪ケースに耐えられるか” を重視するのが安全です。

バックテストの見落としポイント(スプレッド/スリッページ/手数料)

バックテストの数字は、そのまま未来を保証しません。
なぜなら、テスト条件次第で成績は簡単に変わるからです。

初心者が最低限チェックしたいのは以下。

  • スプレッドが現実的か(固定スプレッド前提だと盛れる)
  • 手数料込みか(RAW/ECN系は特に差が出る)
  • 約定ズレ(スリッページ)を想定しているか(短期ほど影響大)
  • テスト期間が偏っていないか(特定相場だけで勝っていないか)

特にスキャルピング系は、スプレッドや約定条件で別物になります。
バックテストで良く見えるEAほど、運用環境までセットで考えるのが必須です。


バックテストからEAで勝てない理由を7つのチェックリストから解説しています。
EAで勝てない7つの理由|検証で潰すべき落とし穴とチェックリスト(MT4/MT5)

リアル運用でズレる理由(約定・停止・相場局面)

「バックテストは良いのに、リアルだと違う」には理由があります。代表例はこれです。

  • 約定条件の違い:テストでは理想約定、リアルは滑る
  • 相場局面の変化:ボラやトレンドの質が変わる
  • 稼働停止:PC/回線/VPS/MT4不具合でEAが止まる
  • 指標発表・急変動:スプレッド拡大・約定飛びが起きる

この“ズレ”がある前提で、最初から安全運用するには、
小ロットで慣らし運転 → 想定外が起きたら止められる状態を作ることが大切です。

目的別の選び方(安定重視/一発狙い/学習目的)

最後に、目的別に“選び方の正解”は変わります。
初心者が迷いにくいように、3パターンで整理します。

安定重視(長く続けたい)

  • DDが浅め、極端に一発が大きくない
  • 取引回数がある程度あり、成績が偏りにくい
  • ロットが固定・または増え方が緩い

一発狙い(ハイリスク許容)

  • 期待値が高く見えても、DDが深くなりやすい
  • ロット増加(マーチン等)の有無を必ず確認
  • “最悪ケースでどれだけ耐えられるか”を先に決める

学習目的(理解が最優先)

  • ロジックがシンプルで説明できる
  • トレンド/レンジなど、性格が分かりやすい
  • 検証しやすい(条件が複雑すぎない)

TOKYO-EAの方向性としても、
「勝てるEAを探す」だけでなく「EAを見極める力」を育てる記事はSEO的にも強いです。

EAの見極めをさらに具体化したい方は、こちらも参考にしてください。
MT4のマーケットで勝てるEAを見極める具体的な方法

EAを始める手順|MT4での導入〜稼働まで(最短ロードマップ)

EAは「入れて終わり」ではなく、稼働前の確認までがセットです。
初心者はここでつまずきやすいので、最短で迷わない流れを“ロードマップ”としてまとめます。

流れは次の4ステップです。

  1. EAを入手する(入手ルートを確認)
  2. MT4にインストールする
  3. チャートにセットして稼働許可を出す
  4. 稼働前チェックをして、まずはデモ/少額で動かす

EA入手ルート(MQL5マーケット/外部配布)と注意点

EAの入手ルートは大きく2つです。

1)MQL5マーケット(MT4/MT5公式のマーケット)

  • MT4内から直接インストールできる
  • 更新が入ることが多く、管理しやすい
  • ただし「無料=安全・高性能」とは限らない(見極めは必要)

2)外部配布(配布サイト、開発者配布、ZIP配布など)

  • 無料ツールが多い
  • ただし、入手元の信頼性チェックが重要
  • ファイル配置や更新管理は自分で行う必要がある

注意点として、どのルートでも共通して大事なのは、
“どんなロジックで、どんな条件で動くEAか”を理解してから動かすことです。
「よく分からないけど動かす」は、事故の最短ルートになります。

インストール手順(初心者向けに最小ステップ)

ここでは最小ステップだけ押さえます(詳細は内部リンク先)。

MQL5マーケットの場合

  • MT4内の「マーケット」からEAをインストール
  • 「ナビゲーター」→「エキスパートアドバイザ」に表示される

外部配布の場合

  • MT4の「データフォルダ」を開く
  • MQL4 > Experts にEAファイル(.ex4 / .mq4)を入れる
  • MT4を再起動 or ナビゲーターを更新して表示させる

※インジケーター(Indicators)やスクリプト(Scripts)と入れる場所が違うので、混ぜないように注意してください。

稼働前チェック(自動売買ボタン/DLL/WebRequest等)

ここが一番重要です。
「EAが動かない」「エントリーしない」の多くは、EAの不具合ではなく稼働許可の不足が原因です。

最低限チェックするのは次の4つ。

  • MT4上部の「自動売買」ボタンがONになっているか
  • EA設定の「自動売買を許可」がONか
  • EAが必要とする場合のみ「DLLの使用を許可」がONか
  • 外部通信が必要なEAの場合のみ「WebRequest許可」がONか

そしてもう1つ、盲点になりやすいのが“取引条件”です。

  • 最小ロットを下回っていないか
  • 証拠金が足りるか
  • スプレッド制限・時間帯制限に引っかかっていないか
  • すでに最大ポジション数に達していないか

最初はデモ→少額→ロット固定の順で慣れる

EAで一番危ないのは、いきなり大きく張ることです。
初心者は次の順番で“段階的に”慣れるのが安全です。

  1. デモ口座で挙動を見る(想定通り動くか)
  2. 少額で稼働(想定外のズレを体感する)
  3. ロット固定で継続(成績のブレとDDを確認)
  4. 必要なら微調整(パラメータをいじるのはこの後)

EA運用は、短期の勝ち負けよりも「想定内に収まっているか」が大切です。
まずは“生存”を最優先にして、慣らし運転を徹底しましょう。

EA運用の注意点|資金管理と“やってはいけない”を先に知る

EA運用で一番大事なのは、ロジックよりも 資金管理(守り) です。
なぜなら、EAはルール通りに動くぶん、事故った時もルール通りに“負け続ける”可能性があるからです。

ここでは、初心者がやりがちな失敗を避けるために、
「やってはいけないこと」→「安全に近づける考え方」→「現実的な運用手順」まで整理します。

破産リスクを上げる行動(ロット上げ・放置・含み損放置)

初心者が破綻しやすいパターンは、ほぼこの3つです。

1)いきなりロットを上げる
バックテストや短期の好調を信じて、早い段階でロットを上げるのは危険です。
EAは「調子が悪い時期」も必ず来るので、ロットを上げた瞬間に最大DDを踏むと、一発で詰みます。

2)“完全放置”してしまう
EAは放置運用も可能ですが、初心者がいきなり完全放置にすると、
停止・エラー・相場急変などの異常に気づけず致命傷になりやすいです。

3)含み損を見ない(見たくない)
「いずれ戻る」「勝率が高いから大丈夫」と思って含み損を放置すると、
最悪ケースで口座が耐えられません。
勝率が高いEAほど、たまに来る“深い負け”が命取りになりがちです。

結論として、EA運用で一番やってはいけないのは、
**“最悪ケースを想定せずに、楽観でロットを上げること”**です。


EAのリスクについての詳しい説明は、こちらの記事を参考にしてください。
EAのリスク完全ガイド|破綻パターンとマーチン・グリッドの危険性、回避策まで解説【MT4/MT5】

ロット管理の基本(1回の損失許容%の決め方)

資金管理は難しく見えますが、初心者がまず決めるべきなのは1つだけです。

「1回(または1日/1週)で、いくらまでの損失なら許容できるか」

例として、考え方をシンプルにすると、

  • 口座資金の 1〜2%を1回の目安 にする
  • 連敗やDDを考慮して、最初はさらに小さくする

といった安全側の設定が現実的です。

大事なのは、「勝てるロット」を探すことではなく、
負けが来ても生き残れるロットにすることです。

また、EAのタイプによって“見ておくべき最悪ケース”も変わります。

  • 取引回数が多いEA:コスト負け・連敗に注意
  • 逆張り/グリッド系:含み損の拡大に注意
  • ブレイクアウト系:ダマシ連発の期間に注意

この“最悪ケースの形”を想定してロットを落とすのが、長期運用の基本です。

VPSは必要?(必要な人/不要な人)

VPSは「EAを止めないための環境」です。
ただし、全員に必須ではありません。

VPSが必要になりやすい人

  • 24時間稼働が前提のEA(特に短期・スキャル系)
  • 外出が多く、PCをつけっぱなしにできない
  • 回線やPCの安定性に不安がある

VPSが不要でも問題になりにくい人

  • デイトレ〜スイング中心で、常時稼働が必須ではない
  • 稼働時間を限定している
  • まずはデモや少額で、挙動確認が目的

初心者の結論は、
いきなりVPSに課金するより、まずデモ/少額で必要性を見極めるのがコスパ良いです。

免責・リスク

※本記事は、EA(自動売買)の仕組みや選び方を分かりやすく解説することを目的としており、特定の投資成果を保証するものではありません。相場状況やスプレッド・約定条件などにより運用結果は変動し、損失が発生する可能性があります。EAの利用・運用判断はご自身の責任で行ってください。

EA(自動売買)のよくある質問|初心者がつまずく疑問をまとめて解決

ここでは、EA(自動売買)を始める前に初心者が抱きやすい疑問をまとめます。
「同じところでつまずく人が多いポイント」を先回りで解消しておくと、安心して運用を始めやすくなります。

EAは本当に儲かる?勝てる?

結論から言うと、勝てるEAもありますが、誰でも・いつでも・放置で儲かるわけではありません。
EAはルール通りに動くため、相場環境が合えば成績が出やすい一方、相場が変われば成績が崩れることもあります。

初心者が意識すべきなのは「勝てるか?」よりも、

  • 最大DD(どれくらい負ける可能性があるか)
  • 成績が崩れたときに止められるか
  • ロットが適正か(破綻しないか)

といった “生き残る条件” です。

無料EAと有料EA、どっちがいい?

有料だから勝てる、無料だから危険、という単純な話ではありません。
大事なのは価格ではなく、中身と運用条件が明確かどうかです。

初心者向けのおすすめは次の通りです。

  • まずは無料EAで「挙動やリスク」を学ぶ(デモ/少額)
  • 気に入ったEAがあれば、有料も検討する(ただし過信しない)
  • どちらでも、バックテストや条件確認を省略しない

“無料だからとりあえず動かす”が一番危険なので、そこだけ注意してください。

MT4とMT5どっちがいい?(初心者はどっちから?)

初心者が「EAを使ってみたい」目的なら、まずは MT4でもMT5でもOK です。
ただし、EAの対応状況はそれぞれ違います。

  • MT4:対応EAが多く、情報も豊富(初心者が迷いにくい)
  • MT5:将来性や機能面で強いが、MT4専用EAは動かない

「使いたいEAがMT4対応かMT5対応か」で選ぶのが一番確実です。
TOKYO-EAの記事もMT4前提の解説が多いので、初心者はMT4から入るとスムーズです。

EAが動かない時はまず何を確認する?

まず確認するのは、ほぼこの4つです。

  • MT4上部の「自動売買」ボタンがONか
  • EA設定で「自動売買を許可」がONか
  • 必要ならDLL許可がONか
  • 口座条件(最小ロット・証拠金)やEAの制限(スプレッド/時間帯)に引っかかっていないか

“動かない理由”はだいたいここにあります。
チェックリスト形式でまとめた完全ガイドはこちらです。
MT4 EAが起動しない・エントリーしない理由と設定確認ポイント【完全ガイド】(内部リンク)

スプレッドが広い時間帯は避けるべき?

基本的には避けたほうが安全です。特に、

  • スキャルピング系
  • 利幅が小さいEA
  • 取引回数が多いEA

はスプレッド拡大の影響を強く受けます。

スプレッドが広がりやすいのは、一般的に

  • 週明け直後
  • 重要指標発表前後
  • 流動性が薄い時間帯

などです。EAによっては「最大スプレッド」を超えたら取引しない設定があるので、可能なら活用してください。

まとめ|EAは「仕組み理解+検証+資金管理」で安全度が上がる

EA(自動売買)は、MT4/MT5上で売買ルールを自動実行できる便利な仕組みです。
感情に左右されにくく、バックテストで検証しながら改善できる一方で、相場環境の変化や取引コスト、設定ミスによって成績が崩れるリスクもあります。

初心者がEAで失敗しないために大切なのは、次の3つです。

  • 仕組みを理解する(EAはルール通りに動く。得意な相場・苦手な相場がある)
  • 検証する(PFや勝率だけでなく、DD・取引回数・条件の偏りを重視する)
  • 資金管理する(最悪ケースを想定し、最初はデモ→少額→ロット固定で慣らす)

「EAは放置で稼げる」と考えるほど事故率が上がります。
まずは小さく始めて、想定外が起きたときに止められる状態を作ることが、長期運用の第一歩です。

次にやるべきことは、以下のどちらかです。

  • EAをMT4に導入して動かす手順を確認する
    → 【初心者向け】MT4にEA・インジケーター・スクリプトをインストールする方法(画像付き完全ガイド)
  • EAが動かない/エントリーしない時のチェックを知っておく
    → MT4 EAが起動しない・エントリーしない理由と設定確認ポイント【完全ガイド】

EAの基本を押さえた上で、TOKYO-EA内の検証記事(逆張り・ブレイクアウト・スキャルピング等)も参考にしながら、自分に合うタイプを選んでいきましょう。

関連記事|次に読むと理解が一段深まる5本

EA運用は「知識 → 検証 → 実行(環境整備)」の順で詰めるほど事故率が下がります。最後に、よく一緒に読まれている関連記事をまとめました。


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