無料EAは「タダで使える」という魅力がある一方で、選び方を間違えると短期間で大きな損失につながることがあります。特にスキャルピング・グリッド(トラリピ型)・マーチンゲールなどは、平常時は勝ちやすく見えても、相場急変やトレンド継続でリスクが一気に膨らみやすい戦略です。
そこで本記事では、TOKYO-EAで検証してきた無料EAの比較記事を“戦略別ハブ”として総まとめしました。各記事では同条件バックテストをベースに、PF(プロフィットファクター)・DD(最大ドローダウン)・勝率・取引回数などを横並びで確認できます。さらに、数字の見方や「事故を防ぐ運用ルール」もあわせて解説します。
まずは気になる戦略からチェックして、あなたの運用スタイルに合うEA候補を絞り込んでください。
この記事でわかること(無料EA検証ハブの使い方)
このページは、TOKYO-EAで検証してきた**「無料EAの比較記事」を戦略別にまとめたハブ(目次)**です。
「無料EAを探したいけど数が多すぎて選べない」「結局どの戦略が危険なのか知りたい」という方が、最短で必要な記事にたどり着けるように整理しています。
ここから先は、次の3ステップで読むのが最も効率的です。
このページの見方(ランキング→戦略別→リスク記事の順で読む)
① まずは“全体像”を掴む(毎月更新ランキング)
無料EAを俯瞰したい場合は、最初に「無料EAランキング(MQL5人気TOP10検証)」へ進むのが最短です。
毎月更新のため、**「今注目されている無料EA」**をざっくり把握できます。
- 内部リンク:無料EAランキング(毎月更新)|MQL5の人気TOP10を徹底検証
② 次に“自分の戦略”で絞り込む(戦略別の検証まとめ)
ランキングで候補を見つけたら、次は戦略別に比較した記事へ進みます。
スキャル・ブレイクアウト・グリッド(トラリピ型)・マーチン・逆張りなど、戦略が違うとリスクの質も変わるため、同じ土俵で見比べることが重要です。
- スキャルピングEA検証まとめ
- ブレイクアウトEA検証まとめ
- グリッドEA(トラリピ型)検証まとめ
- マーチンゲールEA検証まとめ
- 逆張りEA検証まとめ
- プライスアクションEA検証まとめ
- 平均足EA検証まとめ
- XAUUSD(ゴールド)無料EA検証まとめ
③ 最後に“事故防止”を固める(見極め・失敗パターン)
無料EAは「当たりを探す」よりも、地雷を踏まないことが期待値に直結します。
そこで、検証の読み方・失敗パターン・チェックリスト系の記事もセットで読むと、判断ミスが一気に減ります。
- 内部リンク:MT4のマーケットで勝てるEAを見極める具体的な方法
- 内部リンク:EAで勝てない7つの理由|検証で潰すべき落とし穴とチェックリスト(MT4/MT5)
検証記事は「結論だけ拾う」でもOK(時短ルート)
「時間がない」「細かい解説まで読む余裕がない」という場合は、各比較記事の次の要素だけ拾っても判断できます。
- 結論(採用/保留/見送り)
- PF(プロフィットファクター):利益と損失のバランス
- DD(最大ドローダウン):一番つらい時にどれだけ沈むか
- 勝率・取引回数:数字の“再現性”の目安(回数が少ない高勝率は要注意になりがちです)
ただし、同じ「PFが高い」でも、スキャルのように取引回数で積み上げるタイプと、グリッド・マーチンのように含み損を抱えやすいタイプでは、リスクの意味が変わります。
このページは、そうした違いが分かるように、戦略別に読み分けできる導線を作っています。
※注意:本サイトの検証は、バックテスト等のデータを元に比較していますが、将来の利益を保証するものではありません。相場急変・スプレッド拡大・約定差・設定差などで結果は変動します。運用は自己判断・自己責任で行ってください。
結論|無料EAは“使えるものもある”が、戦略でリスクが別物
無料EAは「無料だからダメ」と決めつける必要はありません。実際に、条件が合えば安定的に推移するEAもあります。
ただし最初に押さえておきたいのは、無料EAの成績は“戦略の性質”でほぼ決まるという点です。
同じ無料EAでも、スキャルピングのように細かい値動きを積み上げるタイプと、グリッド(トラリピ型)やマーチンゲールのように含み損を抱えながら耐えるタイプでは、リスクの出方がまったく違います。
この違いを理解せずに「PFが高いから」「勝率が高いから」で選ぶと、想定外の局面で一撃を食らいやすくなります。
勝ちやすく見えるEAほど「破綻パターン」を先に知るべき
無料EAでよくある落とし穴は、平常時に勝ちやすい戦略ほど、事故の時に大きく負けやすいことです。
たとえば、勝率が高く見えるEAは「小さく勝ち続ける」設計になりがちですが、その裏で
- 相場急変(指標・要人発言など)
- トレンド継続(逆張り・グリッド系に不利)
- スプレッド拡大・約定滑り(スキャル系に不利)
といった局面が来ると、**負け方が“単発”ではなく“連鎖”**になります。
結果として、普段の利益を一度の損失で吐き出す、あるいは回復不能なドローダウンに沈む、という失敗が起こります。
だからこそ、戦略別の検証記事では「良いEAを探す」以上に、**どの状況で崩れるか(失敗パターン)**もセットで確認することが重要です。
PF・DD・勝率だけでは足りない(取引回数・相場適性も見る)
バックテストでよく見られる指標として、PF(プロフィットファクター)・DD(最大ドローダウン)・勝率があります。
これらは重要ですが、それだけで判断すると危険です。
チェックすべき理由は2つあります。
1) 取引回数が少ないと、数字が“偶然”になりやすい
たとえば勝率90%でも、取引回数が少なければたまたま勝っただけの可能性が残ります。
逆に、取引回数が十分に多い成績は、戦略のクセが数字に出やすく、比較の信頼度が上がります。
2) 相場適性が違うと、数字の意味が変わる
スキャルはスプレッドや約定の影響が大きく、グリッドやマーチンはトレンド継続に弱いなど、戦略によって“負け方”が異なります。
つまり、同じPFでも「どんな局面で崩れるか」が違うため、戦略別に見るのが前提になります。
このページでは、そうした前提を踏まえて、戦略ごとの検証記事へ進めるようにまとめています。次のセクションでは、比較の前提となる「検証方針(同条件で比較する理由)」を整理します。
無料EAを同条件で検証する理由(TOKYO-EAの検証方針)
無料EAは数が多く、紹介ページの説明だけでは「本当に同じ基準で比べられるのか」が分かりません。
そこでTOKYO-EAでは、できる限り条件を揃えたうえでバックテストを行い、戦略ごとの特徴と危険度が見える形で比較しています。
ここでは、なぜ同条件比較にこだわるのか、そしてバックテストの限界(注意点)も含めて整理します。
同条件バックテストで比較するメリット
同じ無料EAでも、テスト条件がバラバラだと、成績が良いのか悪いのか判断できません。
同条件で比較するメリットは、主に次の3つです。
- EAの“実力差”が見えやすい
通貨ペア・時間足・期間が揃っていれば、成績差は「戦略やロジックの差」として読み取りやすくなります。 - 「数字のマジック」を避けられる
一部のEAは、有利な期間だけ切り取ると見た目が良くなります。同条件比較なら、そうした錯覚を減らせます。 - 戦略のクセが浮き彫りになる
スキャルはスプレッドに弱い、グリッドはトレンドに弱い、ブレイクアウトはレンジで負けやすい…など、**“負け方の特徴”**が把握しやすくなります。
つまり、同条件比較は「当たり探し」ではなく、事故を避けるためのスクリーニングとして効果が大きいです。
注意:バックテスト=未来の利益ではない(再現性の限界)
バックテストは強力な判断材料ですが、未来の利益を保証するものではありません。
特に無料EAは、環境差の影響を強く受けることがあります。
代表的なズレ要因は次の通りです。
- スプレッド・手数料・約定の滑り(特にスキャル系で影響大)
- ティック品質・ヒストリーデータの差
- ブローカー仕様(最小ストップレベル、約定方式、凍結など)
- サーバー遅延・VPS環境
- 相場環境の変化(レンジ→トレンドなど)
そのためTOKYO-EAでは、「数字が良い=採用」ではなく、どんな相場で勝ち、どんな局面で崩れるかまで読み解くことを重視しています。
免責・リスクについて
本サイトの検証は、バックテスト等のデータをもとに比較・考察したものであり、将来の利益や損失の回避を保証するものではありません。
FX・CFD等の取引は相場変動やスプレッド拡大により損失が発生する可能性があり、場合によっては証拠金を上回る損失が生じることもあります(口座仕様によります)。
EAの導入・運用は、必ずご自身の判断と責任のもとで行ってください。
また、各検証記事では、成績が良いEAでも「想定されるリスク」や「避けたい使い方」を必ず併記しています。
無料EAランキング(毎月更新)|MQL5人気TOP10を徹底検証
「まずは今、どの無料EAが注目されているのかを知りたい」
そんなときに一番早いのが、毎月更新の無料EAランキング検証です。
無料EAは入れ替わりが激しく、同じEAでもバージョン更新や相場環境で評価が変わります。
だからこそTOKYO-EAでは、MQL5で人気上位に入ってくる無料EAを定期的にピックアップし、同条件バックテストで“現時点の傾向”を把握できる形でまとめています。
ランキング検証記事では、単に順位を並べるだけでなく、
- どのEAが安定寄りか(DDが浅い、成績のブレが小さい)
- どのEAがハイリスク寄りか(含み損型、急変に弱い、偏りが強い)
- 「数字は良いが注意点が多い」など、採用判断の目安
まで含めて整理しています。
👉 無料EAランキング|MQL5の人気TOP10を徹底検証(毎月更新)
このランキングは、次のような使い方が効率的です。
- 初心者:ランキング → 気になるEAの戦略別まとめ → 失敗パターン記事
- 中級者:ランキングで候補抽出 → 戦略別まとめで横比較 → 運用ルールで事故防止
あわせて読みたい:勝てるEAを見極める方法/EAで勝てない理由
ランキングはあくまで「入口」です。
無料EAは、勝ちやすい局面だけを見ると魅力的に見えますが、実運用では“負け方”の理解が欠かせません。
そのため、ランキングとセットで次の2記事を読むと、判断ミスが一気に減ります。
- MT4のマーケットで勝てるEAを見極める具体的な方法
→ バックテストや販売ページのどこを見れば地雷を避けられるか、基準を整理 - EAで勝てない7つの理由|検証で潰すべき落とし穴とチェックリスト(MT4)
→ 「なぜ負けるのか」を先回りで理解し、設定・環境・運用ミスを潰す
ランキングで候補を掴んだら、次はいよいよ本題の「戦略別まとめ」です。
スキャル・ブレイクアウト・グリッド(トラリピ型)・マーチン・逆張りなどのEAをこのあと一覧で紹介します。
戦略別に探す|無料EAの検証まとめ(スキャル・ブレイクアウト・グリッド・マーチン・逆張り)
無料EAは「無料」という共通点があっても、中身の戦略はまったく別物です。
そして戦略が違えば、勝ち方も負け方も変わります。だからこそ、無料EAを探すときは“おすすめを眺める”よりも、自分が許容できるリスクの戦略から絞り込むのが最短ルートです。
このセクションでは、TOKYO-EAで検証してきた無料EAを戦略別の比較記事にまとめました。気になるタイプから読み進めてください。
スキャルピングEA|短期で回転するが、環境差(スプレッド・約定)に弱い
スキャルピングEAは小さな利幅を積み上げるため、バックテストが良く見えることがあります。
一方で、スプレッド拡大や約定の滑りがあるだけで成績が崩れやすく、ブローカー環境・時間帯の影響も大きい戦略です。
短期で回転するタイプを検討するなら、まずは同条件比較で「再現性」と「崩れ方」を確認してください。
ブレイクアウトEA|トレンドで伸びるが、レンジ相場で負けやすい
ブレイクアウトEAは、値動きが出る相場で利益を伸ばしやすい一方、レンジが続くとダマシが増えて負けやすい傾向があります。
「勝てる月」と「勝てない月」の差が出やすい戦略なので、PFや勝率だけでなく、DDの深さや連敗の出方まで含めて見極めるのが重要です。
グリッドEA(トラリピ型)|平常時は強いが、トレンド継続でリスクが膨らむ
グリッド(トラリピ型)は、レンジ相場では利益が積み上がりやすく、勝率も高く見えがちです。
ただし、想定以上のトレンドが継続すると含み損が膨らみ、ロットが増える設計だと一気に危険度が跳ね上がります。
「どの相場で破綻しやすいか」を理解したうえで、資金管理ルールとセットで検討してください。
グリッド(トラリピ型)はレンジに強い反面、トレンド継続でリスクが膨らみやすい戦略です。仕組みや危険パターンを先に整理したい方は「グリッドEAとは?」もあわせて確認してください。
→ グリッドEAとは?トラリピ型の特徴・向いている相場・危険なパターン
マーチンゲールEA|勝率は高く見えるが、負け方が致命傷になりやすい
マーチンゲール系は「取り戻す設計」によって勝率が高く見えることがあります。
しかし、連敗が続いたときにロットが膨らみやすく、損失が加速度的に増えるのが最大の特徴です。
短期の好成績だけで判断せず、最大DD・最大連敗・含み損の膨らみ方を必ず確認してください。
マーチンゲールは勝率が高く見えやすい一方、連敗時の損失が急拡大しやすい戦略です。仕組みと破綻リスクを理解してから検証結果を見ると判断がブレません。
→ マーチンゲールEAの仕組みと破綻リスク|安全な使い方は存在するのか?
逆張りEA|ハマれば強いが、トレンド発生時に一気に崩れやすい
逆張りEAはレンジで強く、勝率が高く出やすい戦略です。
一方で、トレンドが出る局面では損切りが続きやすく、グリッド型やナンピン要素があると含み損が膨らむ場合もあります。
危険度を見抜くには、勝率よりも「負けたときの大きさ」と「連敗耐性」を重視するのがコツです。
プライスアクションEA|ローソク足パターン中心。相場のクセが成績に直結しやすい
プライスアクション系は、ローソク足の形状や直近の値動きからエントリーを判断するタイプが多く、相場のクセに左右されやすい特徴があります。
特定の局面では綺麗にハマる一方で、相場環境が変わると成績がブレることもあるため、複数EAを同条件で比較して傾向を掴むのが有効です。
平均足EA|トレンド判定が分かりやすいが、レンジでは往復ビンタに注意
平均足系はトレンド方向の判断がしやすく、押し目・戻りの波に乗る設計になりやすい戦略です。
その反面、レンジ相場では転換が増え、損切りが続きやすくなることがあります。
「トレンドでどれだけ伸びるか」だけでなく、「レンジでどれだけ削られるか」を比較して選ぶと失敗が減ります。
XAUUSD(ゴールド)EA|値動きが大きく、戦略の相性とリスク管理が重要
XAUUSD(ゴールド)はボラティリティが大きく、同じ戦略でも通貨ペア以上にリスクが強く出やすい銘柄です。
スキャル・グリッド・トレンドなど戦略の幅も広い一方で、急変時のDDが深くなりやすいため、ロット管理と停止ルールが必須になります。
ゴールドEAを検討するなら、戦略別の特徴と成績差をまとめた検証記事から全体像を掴むのが近道です。
無料EAの選び方|バックテストで必ず見るチェックリスト
無料EAを選ぶときに一番危険なのは、「PFが高い」「勝率が高い」といった“見た目の数字”だけで判断することです。
バックテストは有力な材料ですが、見るべきポイントを外すと、リスクの大きいEAを“優秀”だと勘違いしてしまいます。
ここでは、戦略を問わず使える「最低限のチェックリスト」をまとめます。まずはこの基準で候補を絞り込み、次に戦略別の検証記事で横比較するのが失敗しにくい流れです。
まず見る3指標:PF・DD・勝率(ただし過信しない)
最初に確認したいのは、次の3つです。
- PF(プロフィットファクター):利益総額 ÷ 損失総額
1.0を超えていれば利益が残っていますが、**高すぎるPFは「たまたま」や「相場の偏り」**の可能性もあります。 - DD(最大ドローダウン):最も資金が沈んだ瞬間の落ち込み
数字が浅いほど耐えやすいですが、期間が短いと“たまたま浅い”だけのことがあります。 - 勝率:勝ちトレードの割合
高いほど安心に見えますが、戦略によっては「小さく勝って大きく負ける」設計もあるため、勝率単体は信用しすぎないのが重要です。
ポイントは、3指標を“セット”で見ることです。
たとえば「勝率が高いのにDDが深い」場合、普段は勝つが、負けるときに大きく崩れる可能性が高くなります。
事故を減らす指標:取引回数/最大連敗/急変時の挙動
次に、リスクの正体を見抜くための指標を確認します。ここを見ないと“地雷”を踏みやすいです。
- 取引回数
取引回数が少ない成績は、偶然の影響が大きくなります。特に短い期間での好成績は、相場環境が変わった瞬間に崩れることがあります。 - 最大連敗(連続損失回数)
連敗耐性は、メンタルよりも資金管理に直結します。想定以上の連敗が出るEAは、ロットが少し違うだけでも耐えられなくなることがあります。 - 平均利益と平均損失のバランス
「平均利益<平均損失」のEAは、勝率で成立しているケースが多く、負けが連鎖したときの破壊力が上がります。 - 相場急変時の動き
指標や急騰急落があると、スプレッド拡大・滑り・約定遅延が起きやすく、バックテストより不利になりやすいです。スキャル系は特に影響を受けます。
この4点を押さえるだけで、「数字は良いが危険」なEAをかなり弾けます。
相場適性の見抜き方(トレンド・レンジ・指標時)
EAは万能ではありません。得意な相場と苦手な相場があります。
無料EAの成績が安定しない原因の多くは、相場適性のミスマッチです。
- トレンド相場に強い:ブレイクアウト、平均足系、トレンドフォロー寄り
→ レンジでは負けやすい傾向 - レンジ相場に強い:逆張り、グリッド(トラリピ型)
→ トレンド継続で崩れやすい傾向 - 指標・急変に弱い:スキャルピング全般、含み損を抱える設計
→ スプレッド拡大や滑りで一気に不利になりやすい
「自分が稼働させたい時間帯」「避けたい相場(指標時など)」が決まっているなら、その条件に合う戦略から探すのが安全です。
逆に、相場適性を無視して“良さそうなEA”を入れると、たまたま勝っていた期間が終わった瞬間に崩れます。
破綻を避ける運用ルール(初心者向けの安全策)
無料EAは「良いEAを見つけること」よりも、事故が起きても致命傷にならない運用を先に作る方が重要です。
なぜなら相場は必ず荒れますし、どんなEAでも想定外の局面では負ける可能性があるからです。
ここでは、初心者でも今日から実践できる“安全策”を、ルールとして具体化します。EAの成績が同じくらいなら、運用ルールがしっかりしている方が長く残るのが現実です。
ロット上限・損失上限・稼働停止ルールの作り方
まずは「増やす」より「守る」を優先します。以下の3つは必ずセットで決めてください。
1) ロット上限(これ以上は増やさない)
相場が荒れたときに一番効くのが、ロットの暴走を止めるルールです。
ナンピン・グリッド・マーチン系はもちろん、通常のEAでもロットが大きいほどDDが深くなります。
「資金が増えたらロットも増やす」ではなく、まずは上限を固定し、安定した期間を確認してから段階的に見直すのが安全です。
2) 損失上限(ここまで減ったら止める)
口座残高や有効証拠金が一定割合減ったら停止するルールを作ると、破綻確率は大きく下がります。
重要なのは、停止ラインを“気分”で決めないことです。
「DD◯%で止める」「含み損が一定額を超えたら止める」など、数値で決めて機械的に実行できる形が理想です。
3) 稼働停止ルール(相場が荒れる日は休む)
指標発表・要人発言・週明けのギャップなど、荒れやすいタイミングは誰にでも分かります。
スキャル系はスプレッド拡大で崩れやすく、逆張りやグリッド系はトレンド急発生で崩れやすいです。
「普段は稼働、危険日は止める」を徹底するだけでも、事故率は目に見えて下がります。
分散の考え方(通貨ペア相関・同一ロジックの重複を避ける)
EA運用でよくある失敗は、「分散しているつもりで、実は一点集中になっている」ケースです。
次の2点を意識すると、分散が“本物”になります。
通貨ペアの相関を避ける
似た動きをする通貨ペアを複数稼働させると、負けるときに同時に負けます。
とくに同じ通貨が絡むペア(例:USD絡みを複数など)は、同方向に揃いやすい傾向があります。
分散したいなら、通貨の偏りを減らすか、相関が低い組み合わせを意識してください。
同一ロジックの重複を避ける
戦略が同じEAを複数動かすと、相場の苦手局面でまとめて崩れます。
「スキャルを2本」「グリッドを3本」のように同系統を増やすより、戦略を分けて稼働させた方がリスクが平準化しやすいです。
特にグリッド・マーチンのように負け方が大きい戦略は、複数稼働の破壊力が増えやすいので注意してください。
VPS・スプレッド・約定など環境要因も成績を変える
無料EAは、環境差で成績が変わりやすい傾向があります。
これはEAが悪いというより、戦略によって“環境依存度”が違うためです。
- スキャルピング系:スプレッド、約定スピード、滑りの影響が大きい
- ブレイクアウト系:スプレッド拡大でエントリー位置がズレやすい
- グリッド/マーチン系:急変時の約定・凍結で損失が膨らみやすい
また、PCのスリープや回線不安定でEAが止まると、想定外のポジション放置につながります。
安定運用を目指すなら、VPSの利用や、最低限の稼働チェック体制(停止時に気づける仕組み)を用意しておくと安心です。
EAを24時間安定して稼働させたい場合は、VPSの利用も検討してください。自宅PCはスリープや再起動、回線不調でEAが止まることがあり、想定外の損失につながることがあります。MT4/MT5公式の「MetaTrader VPS(MQL5 VPS)」なら、EA運用に必要な基本機能を揃えたまま比較的シンプルに始められます。
👉 MT4/MT5公式「MetaTrader VPS」の使い方と料金|MQL5 VPSでEAを24時間稼働
よくある質問(FAQ)
無料EAはなぜ無料?危険性はある?
無料EAには大きく分けて「配布目的が明確なもの」と「理由が見えにくいもの」があります。
たとえば、開発者が実績作りのために公開していたり、別サービスの導線として提供していたり、機能を絞った体験版として無料になっているケースもあります。
ただし「無料=安全」でも「無料=危険」でもありません。重要なのは、戦略の特性と、負け方のパターンを理解して運用できるかです。無料EAは手軽に始められる分、検証や資金管理が甘くなりやすいので、同条件バックテストやリスク指標の確認を前提にしてください。
MT4の無料EAとMT5の無料EA、どっちを選ぶべき?
結論から言うと、今使っている環境(MT4/MT5)に合わせてOKです。
ただし、EAの数や配布状況、ブローカーの対応状況などは環境で変わるため、「どちらが優れているか」よりも、**運用のしやすさ(口座・VPS・検証のやりやすさ)**を優先したほうが失敗が減ります。
このハブ記事はMT4向けの検証まとめですが、考え方(戦略別に比較する/PF-DD-勝率だけで決めない)はMT5でも同じです。
初心者はどの戦略の無料EAから検証すべき?
初心者ほど「短期で増やす」より「崩れにくい運用」を優先した方が安全です。
一般に、相場急変で一撃が出やすい戦略(グリッドやマーチンなど)から入ると、経験が浅い段階で大きな失敗をしやすくなります。
まずは戦略別の検証まとめから、DDが浅めで、負け方が急激になりにくいタイプを中心に確認し、少額・低ロットで検証するのがおすすめです。最初から“高勝率”だけを狙うのは避けてください。
グリッドEAやマーチンゲールEAは絶対ダメ?
絶対にダメ、とは言い切れません。ただし、どちらも「平常時は良く見えやすいが、想定外で崩れやすい」戦略です。
グリッドはトレンド継続、マーチンは連敗が続いたときにリスクが急拡大しやすいため、ロット上限・損失上限・停止ルールがない運用は危険です。
検証結果が良く見えても、最大DD・含み損の膨らみ方・最大連敗などを確認し、事故を前提にしたルールを作ってから判断してください。
バックテストが良ければ、リアルでも同じように勝てる?
バックテストは判断材料になりますが、リアル運用で同じ結果になる保証はありません。
スプレッド拡大、約定の滑り、ティック品質、ブローカー仕様、VPSや回線などの環境差で結果は変わります。
だからこそ、バックテストの数字だけで決めず、戦略ごとの弱点(苦手相場)と、運用ルール(損失上限・停止ルール)をセットにすることが重要です。
無料EAはデモで試せば安全?
デモ運用は有効ですが、「安全が確定する」わけではありません。
デモとリアルでは約定やスプレッド、滑りが異なることがあり、特にスキャル系は影響を受けやすいです。デモで方向性を掴み、次に小額リアルで検証して、最後にロットを調整する流れが現実的です。
まとめ|無料EAは「戦略で選ぶ」だけで失敗が減る
無料EAは、上手くハマれば有力な選択肢になります。ですが、成績の良し悪し以上に重要なのは、戦略によってリスクの出方がまったく違うという事実です。
「PFが高い」「勝率が高い」といった数字だけで選ぶと、相場急変やトレンド継続など“想定外”の局面で一撃を受けやすくなります。
このページでは、TOKYO-EAで検証してきた無料EAを、スキャル・ブレイクアウト・グリッド(トラリピ型)・マーチン・逆張りなど戦略別に比較できる形でまとめました。まずは気になる戦略から1本読み、同条件バックテストの結果と「負け方の特徴」を確認するのが最短ルートです。
まず読むならこの順番がおすすめ
1)今月の傾向を掴みたい人
まずは「無料EAランキング(毎月更新)」で、注目されているEAを把握してください。候補が見えたら、次に戦略別の検証まとめで横比較すると判断がブレません。
2)自分の戦略が決まっている人
スキャル・ブレイクアウト・逆張りなど、最初から気になる戦略がある場合は、戦略別の検証まとめから入る方が早いです。
グリッドやマーチンを検討する場合は、仕組みとリスクを理解してから比較記事を見ると、採用判断を誤りにくくなります。
3)事故を防ぐ運用を固めたい人
無料EAは「当たり探し」よりも、ロット上限・損失上限・停止ルールの有無が結果を左右します。環境要因(VPS・スプレッド・約定)も含めて、破綻しないための運用設計を先に作ってください。
無料EAは、正しく検証し、戦略に合った運用ルールを作れば、リスクを抑えながら選別できます。
このハブ記事を起点に、あなたの運用スタイルに合う検証記事から読み進めてみてください。

