相場がサポートやレジスタンスからどの程度強く反発しているか──。
その「反転力」を数値化して視覚的に示してくれるのが、BSI(Bounce Strength Index)インジケーターです。
本記事では、BSIの基本的な仕組みから使い方、売買シグナルの見方、さらには計算ロジックまで丁寧に解説します。
MT4に対応した無料インジケーター(.ex4ファイル)も用意していますので、以下よりすぐに導入可能です。
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BSIインジケーターとは?|Bounce Strength Indexの基本概要

BSI(Bounce Strength Index)は、相場がどれほど強く反発しているか=反転力を数値化するためのテクニカルインジケーターです。
主にサポートライン(下値支持線)やレジスタンスライン(上値抵抗線)付近での反発の強さを評価し、トレーダーが**「押し目買い」や「戻り売り」などの判断を視覚的に行えるように設計**されています。
MT4に対応したこのカスタムインジケーターは、サブウィンドウに表示される3本のラインで構成されており、
- Floor Bounce Strength(上向きの反発)
- Ceiling Bounce Strength(下向きの反発)
- Bounce Strength Index(総合的な反発強度)
という3つの指標をもとに、相場の転換点や反発傾向を見極めるサポートをしてくれます。
相場の反転力を視覚化する仕組み
BSIの基本的な考え方は、過去の一定期間における高値・安値・出来高(またはティックボリューム)をもとに、買い圧力と売り圧力の“強さ”を数値として評価することにあります。
たとえば:
- 価格がサポートライン付近で強く反発し、終値が安値に対して高い水準で確定した場合、買い圧力(=Floor Bounce Strength)が高まります。
- 逆に、レジスタンスからの下落で終値が高値から大きく乖離して確定した場合は、売り圧力(=Ceiling Bounce Strength)が強いと判断されます。
これらの数値はヒストグラムやラインとしてチャート下部に表示されるため、ローソク足の動きと照らし合わせることでトレンド転換の兆しや押し目・戻りのチャンスを視覚的に把握できます。
フロア・シーリング反発の概念
BSIインジケーターでは、相場の反発力を2つの側面から測定します。それが**「フロアバウンス(Floor Bounce)」と「シーリングバウンス(Ceiling Bounce)」です。
これは、価格がサポートライン(底)やレジスタンスライン(天井)**に接近したときの反応を、数値として分離して分析する考え方です。
✅ フロアバウンス(Floor Bounce Strength)
- 相場が安値圏(サポートライン)からどれだけ強く反発したかを示します。
- BSIでこの値が大きくなると、買い圧力が高い=反転上昇の兆しと判断されます。
- チャート上では、**ティール色のヒストグラム(+値)**で表示されます。
✅ シーリングバウンス(Ceiling Bounce Strength)
- 相場が高値圏(レジスタンスライン)からどれだけ強く下落したかを示します。
- この値が大きい場合、売り圧力が強い=反転下落の可能性が高まります。
- チャート上では、**赤色のヒストグラム(−値)**で表示されます。
このように、BSIは「どこから反発したか」と「どれだけ強く反発したか」を明確に区別して可視化します。
単なる価格の位置だけでなく、力強さ=Momentumを含めた判断ができるのが特徴です。
💡 補足:
両者を合算・平滑化したものが「Bounce Strength Index」としてラインで表示され、総合的な反発傾向を示します。
BSIの使い方と売買シグナルの見方
BSIインジケーターは、相場がサポートラインやレジスタンスラインからどれほど強く反発しているかを数値で可視化できるため、売買判断に活かしやすいのが特徴です。
ここでは、具体的な売買シグナルの捉え方と、より精度の高い判断に向けた使い方のコツをご紹介します。
BSIでわかる買い・売りのサイン
BSIでは、プラス方向の数値(ティールの棒グラフ)=買い圧力、マイナス方向の数値(赤の棒グラフ)=売り圧力を示しています。
チャートを読み取る際の基本的な見方は次のとおりです。
✅ 買いシグナルの例
- フロアバウンスストレングス(+値)が急上昇している
- Bounce Strength Index(ピンクのライン)がゼロラインを下から上にクロスした
- 過去の反発時と似たパターンを形成している
→ サポートラインで反発し、上昇に転じる可能性が高い場面
✅ 売りシグナルの例
- シーリングバウンスストレングス(−値)が大きく拡大している
- Bounce Strength Indexがゼロラインを上から下にクロスした
- 高値圏で強い売り圧力が発生している
→ レジスタンスラインで跳ね返され、下落する可能性が高い場面
💡 シグナルは単独ではなく「位置」や「値動きの勢い」とあわせて確認することで、信頼性が高まります。
トレンド判断と併用する方法
BSIは反発力に特化した指標ですが、トレンド系インジケーターと組み合わせることで“逆張り”と“順張り”のバランスをとることができます。
併用例①|移動平均線(MA)との組み合わせ
- BSIが買いシグナルを出していても、移動平均線が下向きの下降トレンド中なら、無理なエントリーは避ける
- MAが上昇傾向の中でBSIが押し目反発を示した場合は、順張りの押し目買いとして好機
併用例②|トレンド判断系(例:ADX、SuperTrend)
- ADXでトレンドの強さを確認し、強いトレンド中に限ってBSIの逆方向シグナルを除外
- SuperTrendとBSIを組み合わせて、トレンド方向に沿った反発だけを狙うというフィルターも有効
📌 ポイントまとめ:
BSIは、反転の“きっかけ”を見つけるのに優れていますが、相場の全体的な流れ(トレンド)と合わせて使うことで、精度の高い判断が可能になります。
BSIの計算ロジックと仕組み
BSI(Bounce Strength Index)は、価格の反発力を「上昇方向(フロアバウンス)」と「下降方向(シーリングバウンス)」の2側面から数値化し、最終的に1本のインジケーターライン(BSI)として表示します。
このセクションでは、どのようなパラメーターに基づいてBSIが算出されているのか、そして数値がどのように導かれているのかを順を追って解説します。
使用パラメーターと役割の解説

BSIインジケーターでは、以下の4つのパラメーターを使って反発の強さを評価します。
パラメーター名 | 内容 | 初期値 | 役割 |
---|---|---|---|
InpRangePeriod | 範囲期間 | 20 | 高値・安値・ボリュームの観測に使う |
InpSlowing | スローイング期間 | 3 | バウンス強度を平均化する期間 |
InpAvgPeriod | 平均化期間 | 3 | 最終的なBSIラインの平滑化に使用 |
InpUsingVolumeWeight | ボリューム種別 | ティックボリューム | 反発強度に重みをつける指標(任意) |
💡 ボリューム重みを使うことで、取引の“勢い”を反映したより実践的な反発評価が可能になります。
反発強度の算出方法
各バーにおいて、以下の手順でポジティブ(買い)とネガティブ(売り)の反発強度が別々に計算されます。
- 範囲期間内の最高値・最安値(dmax・dmin)を算出
- 現在のバーにおける終値と安値/高値との差をもとに、「反発距離」を計算
- 選択されたボリュームデータで重み付け(volume または tick_volume)
- 上記をスローイング期間で合算し、100倍スケーリングして反発強度を出力
例:
・買い反発強度(Floor Bounce)=安値からの反発距離 × ボリューム比率 ÷ レンジ幅
・売り反発強度(Ceiling Bounce)=高値からの乖離距離 × ボリューム比率 ÷ レンジ幅
これにより、価格がサポート・レジスタンスからどの程度力強く跳ね返っているかが視覚的に示されます。
平均バウンスストレングスの考え方
BSIインジケーターの最後の処理では、過去のポジティブ・ネガティブバウンスを平均化して、中央ライン(Bounce Strength Index)として表示します。
具体的には:
BSI = (直近N本の [ポジティブ反発 + ネガティブ反発] の合計)÷ N
このBSIラインは、個別の強度よりも相場全体の反転傾向をならして表示するため、トレンド転換の兆しを探る際に活用されます。
📌 補足:
高速で値が変化するポジティブ・ネガティブ強度に比べ、BSIラインは滑らかで、エントリータイミングの最終確認やフィルターとして有効です。
BSIインジケーターのダウンロードと導入方法
ここでは、Bounce Strength Index(BSI)インジケーターの無料ダウンロード手順とMT4への導入方法をわかりやすく解説します。
初めてカスタムインジケーターを使う方でも安心して導入できるよう、ステップごとに説明しています。
ダウンロードリンクとファイル概要
以下のリンクより、BSIインジケーター(.ex4ファイル)を無料でダウンロードできます。
ファイルはすでにコンパイル済みのため、MT4に設置するだけで使用可能です。
✅ 対応プラットフォーム:MetaTrader 4(MT4)
✅ ファイル形式:BSI.ex4
(ソースコードは含まれていません)
✅ 利用条件:個人利用は無料。商用利用・再配布はご遠慮ください。
MT4へのインストール手順(初心者向け)
- MT4を起動し、「データフォルダを開く」
MT4上部メニュー →「ファイル」→「データフォルダを開く」 - インジケーターフォルダに移動
開いたウィンドウで →MQL4
→Indicators
フォルダを開く - ダウンロードした
BSI.ex4
をIndicators
フォルダへコピー - MT4を再起動する
- ナビゲーターでインジケーターを確認
左のナビゲーターウィンドウ内 →「カスタムインジケーター」から「BSI」をチャートにドラッグ&ドロップ
💡 表示されない場合は:
- MT4の再起動が行われているか確認
- ナビゲーターで「更新」を右クリックして試す
- インジケーター名に誤字がないか確認
BSIインジケーターのソースコードと技術解説(学習用)
BSI(Bounce Strength Index)は、サポートやレジスタンスからの反発力を計算し、買い圧力・売り圧力をヒストグラムで可視化するMT4用のカスタムインジケーターです。
このパートでは、ソースコードの主要構造を理解しやすいように分解して解説します。
ヘッダーとプロパティ設定の構造
インジケーターはサブウィンドウに表示され、3つのプロット(Floor・Ceiling・BSIライン)を描画するよう設定されています。
#property indicator_separate_window
#property indicator_buffers 3
#property indicator_plots 3
各プロットは色やスタイルも定義されており、以下のように区別されます。
- Floor Bounce Strength(ティール/陽線反発)
- Ceiling Bounce Strength(赤/陰線反発)
- Bounce Strength Index(マゼンタ/平均ライン)
入力パラメーターと列挙型
インジケーターの動作をカスタマイズするための4つのパラメーターが設定されています。
input uint InpRangePeriod = 20; // 高値・安値の観測期間
input uint InpSlowing = 3; // スローイング(ノイズ除去)
input uint InpAvgPeriod = 3; // BSIラインの平均化期間
input Volume_Mode InpUsingVolumeWeight = ENUM_TICKVOLUME; // ボリューム種別
ボリュームは enum Volume_Mode
により、「使わない/実ボリューム/ティックボリューム」から選択できます。
初期化処理とバッファ設定(OnInit)
OnInit()
関数では、描画に使用する3つのバッファがMT4に登録されます。
SetIndexBuffer(0, ExtPosBuffer, INDICATOR_DATA);
SetIndexBuffer(1, ExtNegBuffer, INDICATOR_DATA);
SetIndexBuffer(2, BSIBuffer, INDICATOR_DATA);
この時点で、各バッファの表示条件(開始バー数・空データの定義など)も設定され、描画がスムーズに行われるよう整えられています。
OnCalculate関数のロジック概要
- 観測期間中の高値・安値を取得
- 選択されたボリュームに応じた重み付けを行う
- 安値からの反発距離(買い圧力)・高値からの乖離距離(売り圧力)を計算
- スローイング期間で平滑化
- 最後に、平均化期間でBSIライン(中心線)を算出
買い/売りの反発強度は次のようにスケーリングされます。
ExtPosBuffer[bar] = sumpos / sumhigh * 100;
ExtNegBuffer[bar] = sumneg / sumhigh * 100;
BSIラインは、以下のように直近のポジティブ・ネガティブ反発を合計して平均します。
BSIBuffer[bar] = (ExtPosBuffer + ExtNegBuffer) の平均値
💡 補足:
BSIの構造は「反発の方向」「強さ」「頻度」を分けて可視化しており、順張り・逆張りどちらの戦略でも活用できます。
よくある質問(FAQ)
- BSIインジケーターはどんな相場で使うと効果的ですか?
-
サポートやレジスタンスでの反発を狙う戦略に特に有効です。
BSIは、反発の強さを視覚的に表示するため、押し目買いや戻り売りを狙う逆張り場面で力を発揮します。
また、トレンドフォローにおいても「押しが浅いか深いか」の判断に使えるため、順張りの補助としても活用できます。 - BSIはリペイント(描き直し)されますか?
-
リペイントは基本的にありません。
BSIは確定した終値や高値・安値をもとに計算しているため、ローソク足が確定した時点でインジケーターの値も固定されます。
ただし、インジケーターの仕様上、未確定のバー(リアルタイム表示中)は一時的に変動することがあります。 - BSIの数値が高いほど売買チャンスですか?
-
数値が高い=反発が強い、ということですが、必ずしもすぐにエントリーすべきとは限りません。
BSIの数値は**「反発が起きた強さ」を表すだけで、未来を予測するものではありません。**
実際のエントリー判断では、価格位置・トレンド方向・他の指標との併用などを加味することが重要です。 - 他のインジケーターと一緒に使うとしたら、何がおすすめですか?
-
移動平均線(MA)やSuperTrend、MACDなどのトレンド系インジケーターと併用するのが効果的です。
BSIは反発シグナルを提示しますが、相場の大きな流れ(トレンド)を見極める機能は持っていません。
そのため、トレンドを判別できるインジケーターと組み合わせることで、だましを減らし、精度の高いエントリーが可能になります。 - BSIインジケーターが表示されない場合はどうすればいいですか?
-
以下の項目を順に確認してください:
BSI.ex4
ファイルをMQL4/Indicators
フォルダに正しく配置しているか- MT4を再起動しているか
- ナビゲーター内の「カスタムインジケーター」に表示されているか
- インジケーターをチャートにドラッグ&ドロップした後、パラメーター設定でエラーが出ていないか
それでも解決しない場合は、MT4のビルドバージョンの違いやファイルの破損なども考えられるため、別のPCやMT4環境でのテストをおすすめします。
まとめ|BSIで反転力を可視化し、判断力を強化しよう
BSI(Bounce Strength Index)インジケーターは、サポートやレジスタンスでの反発の強さを数値で捉え、視覚的に判断できるツールです。
価格がどれほど勢いよく反発しているのかをヒストグラムとラインで表示することで、トレンド転換の兆しや押し目・戻りの判断材料として活用できます。
本記事では、以下のようなポイントを解説しました:
- BSIの基本的な仕組みと特徴
- 買い・売りシグナルの見方と活用例
- トレンド系インジケーターとの併用方法
- 実際の計算ロジックとソースコード構造
- MT4への導入手順とよくある質問
インジケーターは万能ではありませんが、相場の「勢い」や「反転の可能性」を読み取る補助ツールとして、裁量判断をサポートする強力な味方になります。
ぜひ一度、チャートに表示してBSIの反応を確認してみてください。
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