ICMarketsは、「狭いスプレッド」と「高い約定力」で多くのトレーダーから支持を集めている海外FX業者です。
しかし、実際のスプレッドはどれほど安定しているのでしょうか?
本記事では、1分単位の実測データをもとに、ICMarketsのスプレッドを
✅ 通貨ペア別(USDJPY・EURUSD・GOLD など)
✅ 市場別(アジア・欧州・米国・深夜)
にわけて徹底検証しました。
さらに、Raw口座とStandard口座のスプレッド差や、CFD商品・貴金属・仮想通貨の広がり具合もデータ付きで解説しています。
スキャルピングや自動売買(EA)を行う方にとって、スプレッドの「実態」を把握することはリスク管理の第一歩です。
「ICMarketsは本当に安定しているのか?」
その疑問に答える、実証ベースの完全ガイドをお届けします。
この記事でわかること
ICMarketsのスプレッドは実際どれくらい狭いのか?
アジア・ヨーロッパ・アメリカ市場でのスプレッドの変動傾向
通貨ペア・貴金属・株価指数・仮想通貨の実測スプレッドデータ
Raw口座のスプレッド特性と、他ブローカーとの違い
スプレッドの時間帯別変化から自分に合ったトレード時間帯の判断基準
スキャルピングやEA運用でICMarketsを選ぶべきかの判断材料
ICMarketsとは?|スペックと信頼性の基本情報
ICMarkets(アイシーマーケッツ)は、オーストラリア発のグローバルFXブローカーであり、
世界最大級の取引高を誇るECNブローカーのひとつです。
MetaTrader 4 / 5、cTrader、TradingViewといった多様なプラットフォームを提供し、
スキャルピング・EA(自動売買)・裁量トレードすべてに対応できる高水準の環境を備えています。
✅ 基本スペック(Raw口座)
項目 | 内容 |
---|---|
スプレッド | 0.0pips~(平均EUR/USD:0.1pips) |
手数料 | $3.5/1ロット(片道) |
約定スピード | 平均40ミリ秒以下(Equinix NY4サーバー) |
最大レバレッジ | 500倍(海外拠点) |
最小取引単位 | 0.01ロット |
日本語サポート | あり(公式サポート+メール対応) |
運営とライセンス
- ICMarketsは2007年に設立され、
現在は「IC Markets Global(セーシェル)」「IC Markets AU(オーストラリア)」など複数法人が運営。 - 資金分別管理、24時間サポート、価格透明性といった信頼性の高い運営体制を持ちます。
- 高頻度取引(HFT)やスキャルピングも明示的に許容しており、トレーダーに開かれた設計です。
透明性・実績・約定力を重視するトレーダーにとって、
ICMarketsは非常に競争力のある選択肢と言えるでしょう。
実測データの計測条件と調査手法
本記事で掲載しているスプレッドデータは、MT4のカスタムインジケーターを使用し、1分単位で記録・集計したものです。
ブローカーが公式に発表している「理論上のスプレッド」ではなく、実際のチャート上で提示されたリアルなスプレッド値のみを採用しています。
スプレッド計測のツールと精度
- 使用ツール:Spread Indicator(MQL5配布の無料インジケーター)
- 測定方法:対象のMT4チャートにインジケーターを適用し、BidとAskの差を1分ごとにCSV出力
- 精度の特性:ティックの更新がない時間帯はデータが記録されないため、流動性の少ない時間帯は補正されずそのまま反映
この方式により、「実際にトレーダーがその時点で直面するスプレッドの広がり・狭まり」を正確に捉えることができます。
調査日と時間帯(アジア・欧州・米国・深夜)
- 調査日:2024年5月3日(金)
- ブローカー:ICMarkets(Raw口座)
調査は夏時間(GMT+3)基準のMT4サーバー時間を基に、以下の4つの市場時間帯で分類しました。
市場 | MT4時間 | 日本時間 | 特徴 |
---|---|---|---|
アジア市場 | 03:00〜09:00 | 09:00〜15:00 | 東京中心・流動性は中程度 |
ヨーロッパ市場 | 09:00〜16:00 | 15:00〜22:00 | ロンドン時間・流動性最大・指標発表多い |
アメリカ市場 | 16:00〜23:00 | 22:00〜翌5:00 | 米国指標・NY市場の取引活発 |
アジア市場前(深夜) | 23:00〜翌03:00 | 翌5:00〜09:00 | 流動性が極端に低くスプレッド拡大しやすい |
このように、市場別・時間帯別にデータを収集することで、
スプレッドの変動パターンや時間ごとのリスクを明確に可視化できます。
EAやスキャルピング戦略を構築する際の判断材料として活用ください。
市場別|ICMarketsのスプレッド比較結果
ICMarketsのスプレッドは時間帯によって変動しやすく、特に流動性の違いが反映されやすい傾向があります。
ここでは、アジア・ヨーロッパ・アメリカ・深夜帯の4つの時間帯に分けて、スプレッドの傾向を検証します。
アジア市場(9:00〜15:00/MT4時間:3:00〜9:00)
アジア市場は全体的に流動性がやや少なく、スプレッドは中程度の水準に収まります。
USDJPYやAUDUSDなど、アジア時間に取引が活発な通貨ペアは比較的安定しています。
- USDJPY:平均スプレッド 約0.2pips(安定)
- EURUSD:やや広がる傾向(0.3〜0.4pips程度)
- GOLD(XAUUSD):市場開始直後は拡大気味
EAや指標発表が少ない時間帯でのリスク管理を重視したトレードに向いています。
ヨーロッパ市場(15:00〜22:00/MT4時間:9:00〜16:00)
ロンドン市場の開場により、スプレッドは最も狭くなる時間帯です。
特に主要通貨ペアの取引量が急増し、変動はあるものの安定的なスプレッドを維持しています。
- EURUSD・GBPUSD:平均0.1〜0.2pips
- USDJPY:安定しやすく0.2pips前後
- XAUUSD:経済指標発表時を除けば狭い(1.2pips程度)
この時間帯はスキャルピング・デイトレードに最適です。
アメリカ市場(22:00〜翌5:00/MT4時間:16:00〜23:00)
米国指標の発表やNY市場の流動性により、スプレッドは時間帯によって強く変動します。
- 経済指標の前後でスプレッドが急拡大するケースあり
- 平常時はEURUSD・USDJPYともに0.2〜0.3pips程度
- GOLD(XAUUSD)は広がりやすい(最大6.0pips以上の実測あり)
EAを運用する場合は、米指標カレンダーとの照合が重要です。
アジア市場前(深夜帯:5:00〜9:00/MT4時間:23:00〜3:00)
市場がほぼ閉まっているこの時間帯は、全通貨ペアでスプレッドが拡大傾向です。
- USDJPY・EURUSD:0.5〜0.8pips程度まで広がる
- マイナー通貨ペアやCFD商品:スプレッド不安定
- GOLD:流動性が少なくスプレッド6.0pips以上の時間帯もあり
トレードは非推奨であり、ポジション調整や保有リスクを考慮する必要があります。
各時間帯ごとのスプレッド傾向を理解することで、
ICMarketsの最適なトレードタイミングや、EAの稼働時間設定における重要な判断材料になります。
通貨ペア別|スプレッド安定性と傾向
ICMarketsでは、通貨ペアによってスプレッドの傾向が大きく異なります。
本パートでは、メジャー通貨・クロス円・マイナー通貨の3つに分類し、それぞれの時間帯ごとの安定性や特徴を詳しく解説します。
自分のトレードスタイルに合った通貨ペア選びの参考にしてください。
メジャー通貨(USDJPY・EURUSDなど)
ICMarketsのメジャー通貨ペアは、欧州・米国時間帯で非常に安定したスプレッドを維持しています。
特にUSDJPYとEURUSDは、主要な流動性提供者との接続によって、平均0.2pips前後の狭いスプレッドを実現。
- USDJPYはアジア市場でも0.2pipsと安定。
- EURUSDはヨーロッパ市場で0.15pipsと最も狭い。
➡ 指標発表時でも一瞬の拡大を除けば、早期に落ち着く傾向が見られました。
クロス円(GBPJPY・AUDJPYなど)
クロス円は、米ドルを経由する構造上ややスプレッドが広がる傾向がありますが、それでも他社に比べると良好。
- 欧州時間が最も安定(例:GBPJPYで1.0〜1.2pips)。
- アジア時間や深夜帯はやや広がる傾向あり。
➡ スキャルピングよりスイング向きですが、極端な不安定さは見られません。
マイナー通貨ペア(例:USDMXN・EURNOKなど)
マイナー通貨に関しては、深夜・アジア時間でのスプレッド拡大が顕著です。
- 取引時間帯を選べば、欧州タイムでの安定感はある。
- 流動性が低い時間帯は注意が必要。
➡ ICMarketsでもマイナー通貨はスプレッドの揺れが大きいため、EAや成行注文は避けるのが無難です。
CFD商品・貴金属・仮想通貨のスプレッド傾向
ICMarketsは通貨ペアだけでなく、GOLD・原油・株価指数・仮想通貨などのCFD商品も豊富に取り扱っています。
ここではそれぞれのスプレッド傾向と注意点を実測データをもとに整理し、トレードに活かすポイントを解説します。
GOLD(XAUUSD)
GOLDは最も人気のある貴金属CFDのひとつですが、経済指標発表時に最もスプレッドが拡大しやすい商品でもあります。
- 欧州時間は比較的安定(1.2〜1.5pips前後)
- **指標発表時(米国時間)**は最大6.0pipsを超えることも
- 深夜帯は流動性が低く、スプレッドが跳ね上がりやすい
➡ トレードする場合は、時間帯と経済カレンダーのチェックが必須です。
原油(WTI・BRENT)
- 通常時のスプレッドは3.0pips前後と比較的狭め
- 米国の在庫統計など原油関連ニュースの直後は変動が激しい
- 夜間の流動性が下がる時間帯は要注意
➡ 日中の米国市場での取引が最も安定しやすく、スイング向け。
銀(XAGUSD)
- GOLDよりもスプレッドの安定性に欠ける
- 小さなニュースでもスプレッドが急変しやすい
- 欧州時間がもっとも取引に適した時間帯
➡ ハイレバレッジでの短期取引にはやや不向き。
株価指数(US30・NAS100・JP225など)
- 株価指数は時間帯によりスプレッドが大きく変動
- **US時間帯(22:00〜5:00)**が最もスプレッドが狭い(1.5〜2.0pips)
- アジア時間のJP225などはスプレッドが安定
➡ デイトレ・スキャル向けに使いやすい商品だが、経済指標や要人発言時のリスクも高い
仮想通貨(BTCUSD・ETHUSDなど)
- 24時間取引可能だが、深夜・週末はスプレッドが大きく変動
- BTCUSDは通常で30〜40pips、荒れると100pips以上になることも
- スプレッドだけでなく価格滑り(スリッページ)にも注意
➡ スキャルピング非推奨、スイングや中長期での取引向き。
CFD商品は通貨ペア以上にスプレッドの時間帯依存性が強いため、トレードスタイルや戦略に合わせた商品選びが重要です。
特に自動売買で使う場合は、スプレッドの急変動を避ける時間設定の工夫が求められます。
ICMarketsのスプレッドが優れている理由
ICMarketsは海外FX業者の中でも、圧倒的に狭いスプレッドと安定性で知られています。
この実績の背景には、価格の集約力・取引インフラ・口座設計など、複数の要因が絡んでいます。
以下では、その具体的な仕組みと強みを解説します。
流動性プロバイダーの数と価格集約
ICMarketsは、20社以上の**一流リクイディティプロバイダー(LP)**から価格をリアルタイムで取得しています。
この仕組みにより、**最も狭いBidと最も狭いAskを組み合わせて配信(価格集約)**することが可能になります。
- LPには大手銀行・ヘッジファンド・HFT業者も含まれる
- MT4/MT5/NinjaTraderの全プラットフォームでこの価格が提供される
➡ これにより、裁量・EA問わず、常時最小限のスプレッドが提示されやすい環境が実現されています。
Raw口座と手数料の仕組み
ICMarketsで最も人気のある「Raw口座(Raw Spread口座)」では、スプレッドが0.0pipsになる場面が頻繁に発生します。
- スプレッド:インターバンク市場の実勢価格をそのまま提示
- 手数料:往復$7.0/lot(片道$3.5)という透明な料金体系
➡ スプレッドを限界まで削り、取引コストの見通しを明確化するスタイルが、スキャルピングやEAトレードに好まれています。
約定力とサーバー環境(Equinix NY4)
ICMarketsの取引サーバーは、世界最大級のデータセンター「Equinix NY4(ニューヨーク)」に設置されています。
- NY4には大手金融機関やプロップトレーダーの取引サーバーも集中
- 取引の遅延を最小限に抑える低レイテンシ環境
- VPSとのレイテンシ1ms以下も可能(提携業者利用時)
➡ これにより、約定スピード・滑りにくさ・リクオートなしといった高品質な執行環境が維持されています。
こうしたインフラと設計により、ICMarketsはスプレッド・約定力・安定性の三拍子がそろった業者として高く評価されています。
特にトレードコストを最重視するユーザーには、有力な選択肢のひとつです。
スプレッドの変動と時間帯の関係
スプレッドは常に一定ではなく、時間帯によって大きく変動します。
特にICMarketsのようなECN型ブローカーでは、市場の流動性に応じてスプレッドがダイレクトに変化します。
以下に、代表的な時間帯とその特徴をまとめます。
アジア時間(9:00〜15:00|日本時間)
- 世界的に見ると最も流動性が少ない時間帯
- スプレッドはやや広がりやすく、安定性は中程度
- メジャー通貨(USDJPYなど)は比較的落ち着いている
➡ EAの稼働や大口トレードは控えめに。ロットを抑えて静かな市場を狙うスタイルに適しています。
欧州時間(15:00〜22:00|日本時間)
- ロンドン市場が開場し、1日の中で最も流動性が高まる時間帯
- スプレッドは全体的に最狭水準で安定
- 指標も比較的少なく、裁量・自動売買ともに理想的
➡ スキャルピング・短期売買を行うならこの時間帯が最適です。
米国時間(22:00〜翌5:00|日本時間)
- 経済指標(雇用統計やFOMCなど)の発表が集中する時間帯
- スプレッドは通常時は狭いが、指標発表直前〜直後で急拡大する傾向
- GOLDや株価指数は特にスプレッドの跳ね上がりが顕著
➡ 高ボラ時のトレードには注意が必要。自動売買は一時停止タイマーやスプレッドフィルターの活用が必須です。
深夜帯(5:00〜9:00|日本時間)
- すべての主要市場が閉じ、流動性が極端に落ちる
- スプレッドは全通貨ペアで拡大傾向
- 成行注文の滑りやすさも増す時間帯
➡ トレードには最も不向き。ポジション保有中でも逆指値を適切に設定しておきましょう。
ICMarketsは他のブローカーと比べてもスプレッドの安定性は高めですが、
それでも**「時間帯」を意識した戦略設計がスプレッド低減のカギ**となります。
まとめ|ICMarketsは安定型トレードに適しているか?
本記事では、ICMarketsのスプレッドを実測データとともに詳しく検証してきました。
その結果、市場ごとの変動はあるものの、総じてスプレッドの狭さ・安定性は非常に高い水準にあることがわかります。
特に注目すべきポイントは以下の通りです:
- 欧州時間のスプレッド安定性はトップクラス
- GOLD・指数系CFDなど高ボラティリティ商品でも相対的に狭い
- Raw口座のコスト構造が明確でスキャル・EAに最適
- 指標発表時のスプレッド拡大も、早期に収束する傾向
これらの特徴から、ICMarketsは以下のようなトレーダーにおすすめできます。
✅ 自動売買(EA)を安定運用したい方
✅ 短期トレードでコストを抑えたい方
✅ スプレッドが急拡大しにくい環境で安心して取引したい方
もちろん、時間帯や通貨ペアによってスプレッドが変動する点には留意が必要ですが、
そのうえで戦略を構築すれば、極めて安定したトレード環境を実現できる業者です。
雇用統計時の比較も見たい方へ
通常時間帯のスプレッドだけでなく、「雇用統計」など相場が大きく動くタイミングのスプレッド挙動も気になる方は多いはず。
当サイトでは、実際の雇用統計発表時に1分単位で計測したスプレッド変動データも公開しています。
スプレッドが急拡大した業者や、安定していた業者はどこか?
リアルな比較で、指標トレード時の環境選びに役立ててください。