MT4でEA(自動売買)を稼働させる場合、多くのトレーダーはVPSを利用します。しかし、運用資金が少ないケースや軽量EAを運用する場合は、自宅PCでも問題なく24時間稼働が可能です。また、VPSには料金がかかるほか、サーバー側の停止やMT4のフリーズなど、完全に放置できるわけではありません。
本記事では、VPSを使わずにMT4を安定稼働させるためのポイント、安全対策、電気代との比較、外出先からの監視方法までをわかりやすく解説します。自宅PCでEAを運用するべきか迷っている方は、判断の参考にしてください。
MT4自動売買はVPSなしでも稼働できる?結論と前提条件
結論からいえば、MT4のEAはVPSを使わなくても自宅PCだけで24時間稼働させることが可能です。近年のPCは処理能力が高く、MT4を複数起動しても動作が重くなりにくいため、ライト〜ミドルレベルのEAであれば自宅環境でも問題なく運用できます。
ただし、VPSなしで安定稼働させるにはいくつかの前提条件があります。
- PCを24時間起動できる環境であること
電源設定や排熱対策が整っていると安心です。 - ネット回線が安定していること
途切れにくい固定回線(光回線)が理想です。 - 停電や電源落ちに備えられること
UPS(無停電電源装置)があると信頼性が大きく向上します。 - 定期的にMT4の稼働状況を確認できること
EAが停止したり、MT4がフリーズしていないかのチェックは必須です。
これらを満たせば、VPSを契約しなくてもEAトレードは十分に安全に運用できます。特に、運用資金が少ない場合や単一EAのシンプル運用では、自宅PC運用の方がコストパフォーマンスが高いケースも少なくありません。
VPSとは?EA運用で使われる理由と仕組み
VPS(Virtual Private Server)とは、サーバー上に用意された“自分専用の仮想デスクトップ”のことです。レンタルサーバーの一種で、インターネット経由でログインし、その中でMT4を24時間稼働させることができます。PCを常に起動しておく必要がなく、外出先からでも安定した環境にアクセスできるため、EA運用で広く利用されています。
VPSが選ばれる主な理由は次のとおりです。
- 24時間安定してMT4が稼働する環境を確保できる
サーバー会社のデータセンターは電源・通信が冗長化されており、自宅よりも安定度が高い傾向があります。 - PCをつけっぱなしにする必要がない
自宅PCの寿命や電気代が気になる人にとっては大きなメリットです。 - 外出先からのアクセスが容易
リモートデスクトップを使えば、スマホからサーバー内のMT4を操作できます。
一方で、VPSは「万能な自動売買環境」というわけではありません。サーバー内部でMT4がフリーズしたり、アップデートによりログアウトされるケースもあるため、完全放置はできず、定期的な確認が必要です。
VPSはあくまで「24時間安定して稼働できる場所を借りる仕組み」であり、EAそのものの精度やトレード結果を保証するものではありません。その特性を理解したうえで、自宅PCとVPSのどちらが自分に合う運用環境なのか判断することが大切です。
VPSの基本が理解できたら、実際の使い方や料金が気になる方も多いと思います。MQL5公式のVPSは、MT4・MT5で最も手軽に利用できる仕組みです。
→ 詳しくはこちら|MT4/MT5公式「MQL5 VPS」の使い方と料金ガイド
VPSを使うメリット
VPSを利用すると、MT4のEA自動売買を安定して稼働させられる多くのメリットがあります。自宅PCを24時間稼働させる場合と比べ、稼働の安定性と管理の手間軽減の面で優秀です。特に、複数EAを同時に運用したい人や、外出が多くPCを常時監視できない人にとっては心強い選択肢となります。
1. 停電や回線トラブルの影響を受けにくい
データセンターのVPSは
- 無停電装置(UPS)
- 冗長化された電源・通信回線
- 高品質なネットワーク設備
によって守られており、自宅環境よりトラブルの発生率が低いのが特徴です。
2. 24時間安定してMT4を稼働させられる
自宅PCをつけっぱなしにする必要がなく、
- 電源を落としてしまった
- Windowsが勝手にアップデートした
- 家族がPCを触って停止した
といった人的トラブルも避けられます。
3. 外出先からの管理が簡単
スマホやタブレットからリモートデスクトップでVPSへ接続すれば、
- EAのオン/オフ
- MT4の再起動
- チャートの確認
といった操作がどこでも可能です。
4. PCの負荷を気にしなくていい
VPS内でMT4が稼働するため、
自宅PCでは動画編集・ゲーム・仕事など負荷の高い作業を行ってもMT4が重くなりません。
5. 電気代がかからずコストが読みやすい
自宅PCでMT4を24時間稼働させると電気代が月1,000円以上になる場合がありますが、VPSは月額料金だけで済むため、年間コストが計算しやすいというメリットがあります。
VPSのデメリットと注意点
VPSは安定した環境でMT4を稼働させられる一方で、利用の際にはいくつかのデメリットや注意点があります。特に、自動売買を「完全放置できるもの」と誤解すると、トレードの停止に気づかないリスクが生まれます。ここでは、VPSを利用する前に理解しておくべきポイントを整理します。
1. 月額料金がかかる(特に小資金運用では負担)
VPSは一般的に 月1,000〜3,000円 の料金が発生します。
小資金でEA運用する場合、利益よりコストが上回り、トータルのパフォーマンスを悪化させることがあります。
2. MT4が完全に止まらないわけではない
VPSは環境が安定していますが、以下のような停止トラブルは普通に起こり得ます。
- MT4がフリーズする
- Windows Updateで強制再起動される
- MT4のアップデートでログアウトされる
- EAの自動売買が「OFF」になっている
そのため、週1回程度の確認や再起動は必須です。
3. 安価なVPSは性能が不足することがある
低価格プランでは
- CPUが弱い
- メモリ不足
- 標準のSSD(HDD)が遅い
などの理由で、MT4が重くなったり複数起動に耐えられないケースがあります。
4. “放置しやすい環境”であるがゆえに気づかない停止が起こりやすい
VPSは常に裏側で動いているため、意識しないと
- 数日間EAが停止していた
- 取引が実行されていなかった
という事態を見落としがちです。
VPSを利用していても「自動売買の状況確認はユーザー自身の運用責任」であることを理解しておく必要があります。
5. スマホアプリではEAの操作ができない
MT4のスマホアプリでは
- EAのオン/オフ
- 設定変更
- チャート上のEA確認
ができません。VPS内のMT4を確認するには、スマホ → VPSへリモート接続という一手間が必ず発生します。
VPSなしでMT4を安全に24時間稼働させるためのポイント
自宅PCでMT4を24時間稼働させる場合でも、いくつかのポイントを押さえておけば、VPSと同等の安定性を確保できます。ここでは、PC環境の整え方から省エネ設定、停止トラブルを避けるための具体的な対策までまとめています。
1. PCとネット回線の基本性能を確認する
近年のPCは性能が高く、MT4の負荷は非常に軽いため、一般的なデスクトップやノートPCで十分です。
推奨スペックの目安:
- メモリ:8GB以上
- CPU:Core i3 / Ryzen3 以上
- 回線:光回線(固定インターネット)
Wi-Fiでも動作しますが、24時間稼働を考えると、より安定した接続を求めるならLANケーブルでの有線接続が理想です。
2. モニター電源の自動OFF設定で省エネ化
PC本体だけ稼働させておけば、EAは問題なく動作します。
モニターは以下の設定で自動オフにしておくと電気代を節約できます。
- Windowsの電源設定で「モニターの電源を切る」を短めに設定
- もしくは実際のモニター電源を物理的にOFF
モニター表示が消えてもMT4やEAは正常に動作します。
3. MT4はウィンドウ最小化でOK
チャートが表示されていなくてもEAは動作するため、常に表示する必要はありません。
最小化してバックグラウンドで稼働させておけば、PCの負担も軽くなります。
4. 自動スリープと休止状態を必ずOFFにする
スリープや休止状態に入ると、EAもMT4も動作が完全に止まります。
以下の設定は必須です:
- スリープ:「なし」
- 休止状態:「なし」
- ハードディスクの電源オフ:「なし」
この設定を忘れると、EAが知らないうちに停止する最大の原因になります。
5. 排熱・ホコリ対策でPCの安定性を維持
長時間稼働するとPC内部に熱がこもりやすくなります。
特に夏場は停止やフリーズの原因になりがちです。
対策例:
- PCの下に吸気スペースを確保
- ノートPCなら冷却スタンドの使用
- デスクトップは埃の掃除を定期的に
PCは「冷えている状態ほど安定する」と考えてください。
PCとネット環境の推奨スペック
VPSを使わず自宅PCでMT4を24時間稼働させる場合でも、必要となるスペックはそれほど高くありません。MT4は非常に軽量なプログラムであり、一般的な家庭用PCで十分に動作します。ここでは、安定して自動売買を継続するために必要な最低ラインと、より快適に運用するための推奨スペックを紹介します。
PCスペックの目安
● 最低スペック(単一EA・軽量運用)
- CPU:Intel Core i3 / Ryzen 3 相当
- メモリ:4GB
- ストレージ:SSD推奨
- OS:Windows 10/11(64bit)
● 推奨スペック(複数EA・複数MT4運用)
- CPU:Intel Core i5 / Ryzen 5 以上
- メモリ:8GB以上
- ストレージ:NVMe SSD
- GPU:内蔵GPUで十分(MT4はGPUを使わない)
MT4はCPUよりもストレージ速度の影響を受けることが多く、HDDでは動作が重くなることがあります。自動売買を長期間安定させたい場合は、SSDだけは必須と考えて良いでしょう。
ネット回線の環境
自宅PCでのEA運用はネット回線の安定性が非常に重要です。トレード実行の遅延は成績に直結するため、以下の環境を推奨します。
● 推奨環境
- 光回線(有線LANならベスト)
- 上下 50Mbps 以上の安定した速度
- Pingが安定している回線
● Wi-Fi利用時の注意点
- 24時間運用の場合はルーターの性能も重要
- 古いルーターは接続切れ・再起動が発生しやすい
- 有線LANに比べると不安定になりやすい
EAの安定稼働を考えると、「光回線 × 有線LAN」が最も安全な組み合わせです。
モニター設定と省エネ対策
自宅PCでMT4を24時間稼働させる際は、モニターを常に点灯させておく必要はありません。EAの動作はPC本体が行っているため、画面表示がなくてもトレードに影響はありません。正しく設定することで電気代を大幅に節約でき、モニターの寿命も延ばすことができます。
モニターは自動で電源OFFにして問題なし
Windowsの電源設定で
- 一定時間でモニターだけOFF
に設定しておけば、PCは稼働したまま省エネ状態を維持できます。
推奨設定:
- モニターの電源オフ:5〜10分
- PCのスリープ:なし(必ずOFF)
モニターが真っ暗でも、EAはバックグラウンドで正常に動作します。
物理スイッチでOFFにしてもOK
モニター本体の電源ボタンを押しても、MT4やEAの動作は止まりません。「画面がついていないと不安」という初心者の方も多いですが、実際には表示が消えていても問題はまったくありません。
電気代の節約効果は意外に大きい
一般的なモニター(20〜27インチ)は20W〜40Wほど消費します。
- 24時間つけっぱなし:
→ 月 400〜800円の余計な電気代 - 自動OFFにした場合:
→ 数十円レベルに節約
EA運用の月額コストを抑えたい人にとっては、特に効果が大きいポイントです。
スクリーンセーバーは不要
スクリーンセーバーは電力をほとんど削減せず、負荷がかかることもあります。モニターの電源OFF設定の方が省エネ効果も高く安全です。
MT4は最小化でバックグラウンド稼働可能
MT4はウィンドウを開いたままにしなくても、バックグラウンドで問題なくEAを稼働できます。チャートの描画やインジケーターの更新は内部処理として行われているため、画面を表示していなくてもEAのロジックや注文発注には影響がありません。
最小化してもEAは完全に動作する
ウィンドウを最小化すると、PC負荷が軽くなるほか、長時間稼働による画面焼けや不必要な描画処理を抑えることができます。
- チャートを表示しなくても内部で更新される
- EAの注文処理は通常どおり実行される
- 複数のMT4を最小化しても安定して動作する
「チャートを見ていないとEAが止まるのでは?」という不安は不要です。
複数MT4の運用にも向いている
自宅PCで複数のMT4を立ち上げる場合、各ウィンドウを開きっぱなしにするとPCリソースが無駄に消費されます。
最小化してまとめてバックグラウンド稼働させることで、
- CPU・メモリ使用量が抑えられる
- ウィンドウの切り替えも簡単
- PC全体の安定性が向上
といったメリットがあります。
注意:スリープ・休止状態は厳禁
最小化は問題ありませんが、
- スリープ
- 休止状態
- ディスプレイと同時にPC全体をオフにする省電力設定
これらはEAを完全停止させてしまうため、必ずオフにしておきましょう。
停電・誤作動を防ぐ安全対策
自宅PCでMT4を24時間稼働させるうえで、もっとも注意したいのが 停電・フリーズ・再起動トラブル によるEAの停止です。VPSとは異なり、自宅環境は電源やネット回線の影響を受けやすいため、あらかじめ対策を講じておくことで稼働の安定性を大幅に向上できます。
1. UPS(無停電電源装置)で停電リスクを回避
予期せぬ停電はEAの停止だけでなく、PCやストレージの破損にもつながるリスクがあります。UPSを導入することで、数十分〜数時間の電源供給を維持し、安全にシャットダウンする時間が確保できます。
UPSのメリット
- 突然の電源落ちを防げる
- PC・SSDの保護につながる
- EA稼働を継続しつつ、リモート操作で対処可能
特にEAの稼働資金が大きい場合、UPSは「保険」として非常にコスト効果の高い選択です。
2. Windows Update の自動再起動をオフにする
Windowsは定期的にアップデートを行い、場合によっては勝手に再起動してしまいます。これはEAが停止する最大の原因のひとつです。
対策
- Windows Update の「アクティブ時間」を最大に設定
- 自動再起動はオフ
- 通知を受け取って手動で更新する運用に変更
3. 自動スリープ・休止状態をすべて無効にする
スリープや休止状態は、PCの動作を完全に止めるのでEAも止まります。
必ず以下を無効に:
- スリープ
- 休止状態
- ハードディスクの自動停止
稼働中のPCは “常に動作し続けている” 状態であることが必須です。
4. 定期的にMT4を再起動する習慣をつける
MT4は長時間稼働すると、メモリの断片化や内部負荷によってフリーズすることがあります。
推奨:
- 土日のマーケットクローズ時にMT4の再起動
- Windows自体も週1回は再起動
- EAのログやチャートもリフレッシュ
長期の安定稼働には、小さなメンテナンスが欠かせません。
5. ネット回線の再接続にも備える
光回線であっても、ルーターの再起動や回線の瞬断は発生し得ます。
対策例:
- 高品質のルーターを使用する
- ルーターの自動再起動を週1回に設定
- 有線LANを使いネットの安定性を確保
EAがトレードを逃さないためにも、回線の安定は最優先です。
UPS(無停電電源装置)の重要性
自宅PCでMT4を24時間稼働させる場合、もっとも大きなリスクのひとつが「予期せぬ電源の遮断」です。突然の停電やコンセントの抜け、家庭内ブレーカーの落ちなどが発生すると、EAの稼働は即座に止まり、ポジション管理にも影響が出てしまいます。これらを防ぐために役立つのが UPS(Uninterruptible Power Supply)=無停電電源装置 です。
停電中も数十分〜数時間PCを稼働できる
UPSは内部バッテリーを搭載しており、停電時にも一定時間PCへの電力供給を継続できます。
その間に以下の対応が可能です。
- EA停止によるリスクの確認
- リモートでPCへ接続して安全操作
- MT4やPCを正常にシャットダウン
突然電源が落ちる状況さえ避けられれば、PCの破損やデータ破損を防げます。
EA運用資金が大きいほどUPSの価値は高まる
UPSは安くても1万円前後と、決して小さな出費ではありません。しかし、EAで数十万円〜数百万円の資金を運用している場合、
「1回の停電によるEA停止 → 想定外の損失」
が発生すると、UPSの価格を超える損失が発生する可能性があります。
運用規模が大きいほど、UPSは「資産を守るための保険」として価値が増します。
PC本体とルーターをUPSにつなぐと最強
UPSはPCだけでなく、以下も接続しておくとさらに安全性が高まります。
- ルーター(インターネット回線の維持)
- 外付けHDDなどの周辺機器
停電時もネット接続が維持できるため、外出中でもスマホからPCへ遠隔接続できます。
安価なUPSでも十分に効果あり
高価なモデルよりも、
- 停電時に5〜10分動けば良い
- 安全にシャットダウンできればいい
という目的なら、エントリーモデルで十分です。
EAの安定稼働においては、
“突然電源が落ちないこと”
が最も大切です。
自動再起動・自動ログイン設定
自宅PCでMT4を24時間稼働させる場合、Windowsの再起動が発生した際に そのまま放置してしまうとMT4が起動せず、EAが止まったままになる リスクがあります。
これを防ぐために重要なのが、Windowsの 自動ログイン と 再起動後の自動立ち上げ設定 です。
Windowsの自動ログインを設定しておく
Windowsは再起動時にログイン画面で止まることがあります。
これを自動化することで、突発的な再起動があってもPCがログインまで完了します。
設定方法の例(Windows 10/11):
- Windowsキー+「R」→「netplwiz」と入力
- ユーザーアカウント画面を開く
- 「ユーザーがこのコンピューターを使うには〜」のチェックを外す
- パスワードを入力して自動ログインを有効化
これで、再起動が発生しても自動でデスクトップまで到達します。
MT4を自動起動させる設定
自動ログインだけではMT4は起動しません。
MT4を自動で立ち上げるために、以下の設定を行います。
設定例:
- MT4のショートカットを作成
- Windowsの「スタートアップ」フォルダにショートカットを入れる
- Win+R →
shell:startupを入力
- Win+R →
- PC起動後、自動的にMT4が立ち上がるようになる
複数のMT4を使う場合も、すべてのショートカットをスタートアップへ入れればOKです。
Windows Update の強制再起動対策
自動ログインや自動起動設定をしていても、Windows Update が予想外のタイミングで再起動すると、EAの停止時間が長くなる可能性があります。
対策:
- 「アクティブ時間」を最大の18時間に設定
- 通知後の手動アップデートに変更
- 再起動のスケジュールを手動で管理
自動での再起動はEA停止の大きな原因になるため、可能な限り手動管理に変更しましょう。
自動ログイン+自動起動=EA稼働継続率が大幅アップ
この2つを設定することで、
- 再起動 → 自動ログイン → 自動起動 → MT4稼働再開
という流れが自動化され、EA稼働の安定性が大きく向上します。
特に
停電 → UPSのバッテリー切れ → 再起動
といったトラブル時にも復旧が早く、EAの停止時間を最小限に抑えることができます。
MT4の定期再起動を習慣化する理由
MT4は長時間連続で稼働させることが可能ですが、数日〜数週間にわたって起動しっぱなしにすると、動作が不安定になることがあります。自動売買でのトレードは小さな遅延や停止が致命的になるため、MT4の定期的な再起動は欠かせません。
1. メモリの断片化や内部負荷の積み重ねをリセットできる
MT4は長期間動かし続けると、内部でキャッシュやログが蓄積し、動作が重くなったりフリーズしやすくなります。
特に複数のインジケーターやEAを使用している場合、この影響はさらに大きくなります。
定期的な再起動によって、
- メモリ使用のリセット
- スムーズなチャート更新の復帰
- 不具合の予防
が期待できます。
2. MT4やWindowsのアップデートに対応するため
MT4は不定期にアップデートが入り、再起動が必要になることがあります。
またWindows側でも更新があり、MT4が正常機能するためには再起動を伴う場合があります。
再起動の習慣があれば、
- アップデートが原因でEAが止まる
- ログアウトされたまま放置する
といったトラブルを未然に防げます。
3. ログイン切れ・接続エラーを防げる
MT4がブローカーのサーバーに接続し続けていると、稀に接続エラーを起こしたまま復旧しないケースがあります。
そのままにしてしまうと、
- EAが注文を発注できない
- Pingが異常に遅い状態のまま
という深刻なトラブルにつながることもあります。
週末に再起動することで、このような状態を定期的にリセットできます。
4. EAの動作ログを整理できる
EAは動作ログ(experts/log)を蓄積していきます。
ログが大量に溜まると、
- チャートが重くなる
- MT4起動が遅くなる
といった悪影響が出ます。
再起動時にログを削除する運用を取り入れると、より快適に自動売買を行えます。
5. 週1回の再起動で安定性は大きく向上する
最もおすすめなのは、
土日のマーケットクローズ中にMT4を再起動すること。
この習慣をつけることで、
- 稼働中のフリーズの予防
- 突然のEA停止リスクの軽減
- MT4の安定動作
につながります。
自動売買は「安定して動き続けること」が最優先。
そのための小さなメンテナンスとして、定期再起動は非常に効果的です。
外出先からMT4を監視・操作する方法
自宅PCでMT4を24時間稼働させている場合でも、外出中にEAの状態を確認したり、緊急時に操作する必要が出てくることがあります。EAのオン・オフ切り替えやMT4の再起動といった操作は、スマホのMT4アプリだけでは行えません。そのため、外出先からでもPCにアクセスできる環境を整えておくことが重要です。
1. リモートデスクトップで自宅PCにアクセスする
もっとも便利で確実なのが、スマホからPCへ遠隔接続する方法です。
特に Chromeリモートデスクトップ は使いやすく、初心者でも導入が簡単です。
できること:
- EAのオン/オフ確認
- MT4の再起動
- 複数MT4の切り替え
- チャートやエラー状況の確認
- Windowsの状態チェック
EAトレードのほぼ全操作をスマホから行えます。
メリット:
- 無料で使える
- 導入が簡単
- iPhone/Androidどちらでも操作可能
外出が多い人や、EA停止時のリスクを最小限にしたい人は必須の環境です。
2. MT4スマホアプリは“監視用”として使う
MT4の公式スマホアプリには、以下の制限があります:
できないこと:
- EAのオン/オフ切り替え
- EAの設定変更
- EAの稼働状態(ニコちゃんマーク)の確認
- MT4の再起動
できること:
- 保有ポジションの確認
- 注文発注・決済
- チャート確認
- 口座状況のチェック
つまり、アプリはあくまで「トレード状況の確認用」であり、
EAの管理には使えません。
3. トラブル発生時は“リモート操作一択”
外出中にEAが止まる可能性は以下のように意外と多いです。
- MT4がフリーズ
- EAの自動売買ボタンがOFFになった
- 接続エラーでサーバーに繋がっていない
- Windows Update が実行された
- PCがエラーで再起動している
こうした状況でも、リモートデスクトップを使えばすぐに対処できます。
EA稼働の安定性という観点からも、
「スマホ → 自宅PCへ遠隔接続」 の環境づくりは安全運用のための重要ポイントです。
MT4アプリでできること/できないこと
MT4にはスマホ版アプリ(iPhone/Android)があり、外出中でも口座状況やチャートを確認できます。しかし、スマホアプリ単体ではEAの管理ができないという明確な制限があります。自宅PCでMT4を稼働させる運用では、この点を正しく理解しておくことが重要です。
MT4アプリで “できること”
スマホ版MT4アプリは、裁量トレードや口座状況の確認においては非常に便利です。
- 保有ポジションの確認
- 新規注文・決済
- チャートの表示・分析
- 口座残高・証拠金維持率のチェック
- 経済指標・ニュースの確認
裁量トレーダーに必要な機能はほぼ揃っています。
MT4アプリで “できないこと”
EA運用においては、スマホアプリでは操作不可の機能が多く、これが大きな注意点になります。
- EAのオン/オフ切り替え
- EAの設定変更(パラメーター編集)
- EAの稼働状態(ニコちゃんマーク)の確認
- MT4の再起動
- 複数のMT4インスタンスの管理
- エラー原因のチェック(ターミナルのログは見れない)
つまり、EA運用においては “監視はできるが、管理は一切できない” のがスマホアプリの限界です。
EA運用ではアプリは「補助ツール」として活用する
MT4アプリは、
- 口座残高
- ポジション状況
- 急な価格変動への対応
といった「確認・緊急対応」には役立ちます。
しかし、EAの停止・誤作動・接続エラーといった問題は、アプリでは解決できません。
そのため、EA運用には アプリだけでは不十分で、必ずリモートデスクトップ環境が必要 となります。
電気代とVPS料金を比較|コスト面の最適解とは?
自宅PCでMT4を24時間稼働させる場合、気になるポイントのひとつが「電気代」です。VPSは月額料金がかかる一方、自宅PCは電気代という形でコストが発生します。どちらが安いのかは、PCのスペックや使い方によって大きく変わります。ここでは、一般的なケースを例に比較し、あなたにとって最適な選択肢を判断できるように整理しました。
自宅PCの電気代はどれくらい?
一般的なデスクトップPCの消費電力は 60〜120W 程度。
ここでは平均的な 80W を想定して電気代を計算します。
24時間稼働した場合(1時間 2.12円計算):
- 1日:約64円
- 30日:約1,920円
1日3時間の通常利用との差額:
- 3時間利用:1日 約8.1円
- 24時間利用との差:約56円/日 → 月 約1,680円
つまり、自宅PCをつけっぱなしにすると 月1,500〜2,000円 程度の追加電気代がかかります。
VPS料金の平均相場
一般的なMT4用のVPS料金は以下が相場です。
- 国内VPS:月 1,000〜2,000円
- 海外VPS:月 1,500〜3,000円
- 高性能プラン:月 3,000〜5,000円
※複数MT4を動かす場合はより高性能が必要になることもあります。
どちらが安い?コスト比較の結論
● 小資金・単一EAなら → 自宅PCの方が安い
- VPS:月1,000〜2,000円
- 自宅PCの追加電気代:月1,500円前後
大差はなく、VPSの契約料を考えると自宅運用が有利。
● 複数EA・複数MT4を運用するなら → VPSの方が安定しやすい
- PCの負荷が上がりやすい
- 複数インスタンスの管理が大変
- 電気代がさらに増える可能性あり
● PCスペックが低い場合 → VPS一択
古いPCで複数MT4を動かすと不安定になりやすいため、VPSの方が安全で効率が良くなります。
コストだけを見ると、両者の差は意外と小さい
電気代とVPS料金はどちらも月1,500〜2,000円前後。
実はコストだけで見ると大差がないため、
「安さ」よりも「使い方」「環境」から選ぶ方が正しい判断基準
です。
どちらが向いているかの目安
✅ 自宅PCが向いている人
- 小資金でEA1〜2本だけを使う
- PCのスペックに余裕がある
- 停電や回線が安定している地域に住んでいる
- コストを最小限にしたい
✅ VPSが向いている人
- 外出が多くPCの状態を頻繁に確認できない
- 複数EA・複数MT4を同時運用したい
- PCを24時間つけっぱなしにしたくない
- 安定性を最優先したい
自宅PCを24時間稼働した場合の電気代
自宅PCでMT4を24時間稼働させる場合、最も気になるポイントが「追加でどれくらい電気代がかかるのか」という点です。結論からいえば、自宅PCの稼働にかかる電気代は 月1,000〜2,000円程度 が一般的です。ただし、PCのスペックやモニター設定によっても左右されます。
電気代の計算例(80WのPCを24時間稼働させた場合)
一般的な家庭用デスクトップPCの消費電力は 60〜120W 程度。
ここでは平均的な 80W を想定し、1kWh=約26.5円で計算します。
- PCの消費電力:80W(0.08kW)
- 1日の稼働時間:24時間
計算式:0.08kW × 24h × 26.5円 ≒ 約51円/日
これを月単位にすると:
- 51円 × 30日 ≒ 約1,530円/月
この金額が「24時間稼働させた場合の追加電気代」の目安となります。
通常利用との差分を計算するとより分かりやすい
普段、PCを1日3時間だけ使っていると仮定すると:
- 3時間利用の電気代:
0.08kW × 3h × 26.5円 ≒ 約6.4円/日 - 24時間利用との差分:
約51円 − 約6.4円 = 44.6円/日
つまり、24時間稼働を続けることで
1日あたり約45円、1か月で約1,300〜1,500円 の電気代が余分にかかることになります。
電気代はVPS料金とほぼ同じ
VPS料金(月1,000〜2,000円程度)と比べると、自宅PCの電気代もほぼ同レベルです。
- 自宅PC24時間稼働 → 月 約1,300〜1,800円
- VPS → 月 約1,000〜3,000円
つまり、コスト面でどちらが圧倒的に安いということはありません。
モニターをOFFにすればさらに節電できる
MT4稼働にモニター表示は不要なため、
- Windowsの自動OFF設定
- モニター本体の電源OFF
を活用することで、追加の電気代を最小限にできます。
モニターは20〜40Wの消費電力があるため、
24時間つけっぱなしにすると月数百円の電気代を浪費します。
結論:自宅PCの電気代は運用コストとして許容範囲
EA運用において、月1,000〜2,000円の追加電気代は比較的小さい負担であり、
VPSとの差はほとんどありません。
- コストがほぼ同じ
- 管理のしやすさは自宅PCの方が高い場合もある
という観点から、自宅PCでEA運用するのは十分現実的な選択肢と言えます。
VPS料金との比較と得するケース・損するケース
自宅PCを24時間稼働させる場合の電気代は月1,000〜2,000円程度ですが、VPSにも月額1,000〜3,000円程度の料金がかかります。コストはほぼ同じであるため、どちらが得かは「あなたの運用スタイル」や「環境」によって変わります。ここでは、VPSが向いているケースと、自宅PCが向いているケースを整理していきます。
VPS料金の相場
一般的にMT4用VPSは以下の価格帯です。
- 国内VPS:月1,000〜2,000円
- 海外VPS:月1,500〜3,000円
- 高性能プラン:月3,000〜5,000円
複数MT4を運用する場合は、CPUやメモリに余裕のあるプランが必要になるため、さらに費用が増えるケースもあります。
✅ VPSの方が得するケース(導入メリットが大きい場合)
1. 外出が多く、PCを頻繁に確認できない
PCのトラブルに気づくのが遅れ、EAが数時間〜数日停止していた…という事態を防げます。
2. 古いPC・低スペックPCを使っている
MT4複数起動などに耐えられない場合、VPSの方が安定。
3. 複数EA・複数MT4を同時稼働させたい
CPU・メモリを多く消費するため、専用環境の方が管理しやすい。
4. 家の電気事情が不安定(停電が多い地域)
VPSは停電や電源落ちの影響をほぼ受けません。
※UPSを導入しても完全に防ぐのは困難。
5. PCを24時間つけっぱなしにしたくない
PC寿命や騒音を気にする人はVPS向きです。
✅ 自宅PCの方が得するケース(コスパが高い)
1. 小資金でEA1〜2本だけ稼働する場合
コストを抑えたい場合、電気代の方が安く済むこともあります。
2. PCのスペックが十分に高い
MT4は軽量なため、一般的な家庭用デスクトップPCで十分。
3. 停電が少ない地域でインターネットが安定している
光回線+安定した電力環境の家庭なら、自宅PCでの運用は非常に現実的。
4. EAの稼働状況を自分で確認する習慣がある
MT4の稼働状況を日常的に見られる人は、自宅PCの方が逆に安心。
5. VPSの操作が不安・PC環境の方が慣れている
扱い慣れている環境の方が、トラブル時の対処が速くなります。
✅ 総合結論:コスト差は小さいので “環境で選ぶべき”
- VPSの方が適している人
→ 安定性を最優先・外出が多い・複数EA運用 - 自宅PCの方が適している人
→ 小資金・軽い運用・PCが常時使える環境
実は、VPSと自宅PCではコストに大差がないため、
あなたの生活スタイル・PC環境・EAの運用量で判断するのが正解 です。
どんな人にVPSが必要?使わない方が良い人の特徴
VPSは「必ず必要なもの」ではなく、EA運用のスタイルや環境によって向き不向きがあります。ここでは VPSを使うべき人 と VPSを使わない方が良い人(自宅PC向きの人) を明確に整理します。
✅ VPSを使うべき人(VPS向き)
1. 外出が多く、PCの状態を頻繁に確認できない人
自宅PCを24時間つけっぱなしにしていても、
- フリーズ
- 接続エラー
- Windowsの予期せぬ再起動
などはいつでも起こり得ます。
外出時間が長い人や、深夜にPCを確認できない人はVPSの方が安全です。
2. 複数EA・複数MT4を同時稼働させたい人
MT4を多重起動させると、PCのCPUやメモリを多く消費します。
自宅PCのスペックが高くない場合は、VPSの専用リソースの方が安定します。
3. 停電が多い地域・電源が不安定な家庭に住んでいる人
停電が発生するとEAが即停止し、ポジション管理ができなくなるリスクがあります。
VPSはデータセンターで管理されているため、停電の影響をほぼ受けません。
4. PCを24時間稼働させたくない/音が気になる人
- PCの寿命
- ファンの音
- 発熱
- 消費電力
これらが気になる人は、VPSの方が快適に運用できます。
5. 家に他の家族がおり、PCの電源が触られてしまう可能性がある人
家族の誤操作でPCが停止するリスクを避けたい場合もVPSが向いています。
✅ VPSを使わない方が良い人(自宅PC向き)
1. 運用資金が少なく、EAの稼働数が少ない人
VPS料金(月1,000〜3,000円)は、小資金EA運用には負担になることがあります。
EAが1〜2本程度であれば自宅PCでも十分です。
2. PCスペックが良く、光回線が安定している人
- メモリ8GB以上
- SSD搭載
- 光回線(できれば有線LAN)
この条件が揃っていれば自宅PCでも安定運用できます。
3. 停電がほとんど無い地域に住んでいる人
年間を通して停電が発生しにくい地域では、UPSと組み合わせるだけでリスクを大きく減らせます。
4. EAの状態を自分で確認する習慣がある人
スマホからリモートデスクトップでチェックしたり、
自宅PCを日常的に触る習慣がある人は、自宅PCの方が安全性が高い場合もあります。
5. すでにデスクトップPCを使っていて、24時間稼働に抵抗がない人
特にデスクトップPCなら、MT4複数起動でも安定して動作します。
✅ 結論:環境で選ぶのが最も合理的
- 外出が多い・安定性重視 → VPS
- 小資金・軽い運用・自宅メイン → 自宅PC
という基準で選べば、ほぼ間違いありません。
まとめ|EA自動売買は自宅PCでも安定運用できる
EA(自動売買)を24時間稼働させる場合、VPSを使うのが一般的ですが、自宅PCでも十分に安全かつ安定して運用することは可能です。PCスペックの向上やネット環境の普及により、以前よりも自宅稼働のハードルは大きく下がっています。
自宅PCでも安定運用が可能な理由:
- MT4は非常に軽量で、一般的なPCで十分動作する
- モニターをOFFにすれば省エネしながら運用できる
- UPSや自動ログイン設定で停電・再起動にも対応できる
- スマホのリモートデスクトップで外出先から操作できる
一方で、外出が多い、複数EAや複数MT4を動かす、停電が多い地域に住んでいるといった場合は、VPSの安定性が役立ちます。
つまり、
「VPSが最強」ではなく、「環境とスタイルに合わせて選ぶ」
のが最適な選択です。
小資金でEA1〜2本の運用なら自宅PCで十分。
複数EA・外出が多い・安定性重視ならVPS。
このように、自分の運用スタイルに合った方法を選ぶことで、余計なコストをかけずに自動売買のパフォーマンスを最大化できます。
多くのトレーダーが求めているのは、信頼できて無料で使えるEAです。
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