EAのバックテストを正確に行うには、信頼できるヒストリカルデータが必要です。
MT4には標準のヒストリカルデータが用意されていますが、実際のブローカー環境とはレートやスプレッドが異なる場合があります。
そこで本記事では、AXIORYやTradersTrustなどの海外FXブローカーが公式に配布しているヒストリカルデータを使って、より精度の高いバックテストを行う方法を紹介します。
MT4の基本操作から、データのダウンロード・インポート手順までを画像付きでわかりやすく解説しているので、初心者の方でも安心して作業を進められます。
MT4でヒストリカルデータを取得する3つの方法
MT4でヒストリカルデータを取得する方法は、主に次の3つがあります。
- MetaQuotes社の標準データをMT4から直接ダウンロードする
- FXブローカー(AXIORY・TradersTrustなど)の公式サイトから入手する
- 外部サイトや有料データベースを利用する
① MetaQuotes社の標準データをダウンロード
MT4には「ヒストリーセンター」という機能があり、標準データを簡単にダウンロードできます。
この方法はもっとも手軽で、長期の価格データも揃っています。
ただし、実際のブローカー環境とは異なるスプレッドや価格構造になっていることが多いため、バックテスト結果がリアルトレードとズレる可能性があります。
簡易テストをしたいときや、EAの動作確認レベルであればMetaQuotesデータでも十分です。
② ブローカー公式サイトから入手
AXIORYやTradersTrustといったブローカーでは、公式サイトからヒストリカルデータを配布しています。
実際に自社サーバーで配信された価格データをもとにしているため、リアル口座のスプレッド・価格変動をほぼ再現可能です。
EAの検証を真剣に行うトレーダーにとって、最も信頼性の高いデータ入手法といえます。
③ 外部データベース・有料データサービスを利用
MyfxbookやDukascopyなどの外部サービスでは、ティックレベルのヒストリカルデータを配布しています。
ただし、有料の場合やデータ形式が異なる場合があるため、MT4で使うにはCSV変換や整形作業が必要です。
MT4初心者のうちは、まずブローカー公式データの利用から始めるのが安全です。
ポイントまとめ
方法 | 特徴 | 精度 | 難易度 |
---|---|---|---|
MetaQuotes標準 | MT4内で取得可能 | ★★☆☆☆ | かんたん |
ブローカー公式 | 実際の取引環境に近い | ★★★★★ | ふつう |
外部サービス | ティック単位で高精度 | ★★★★☆ | ややむずかしい |
AXIORYのヒストリカルデータをダウンロードする手順
アクセス方法

- AXIORY公式サイトへアクセスします。
👉 AXIORY公式ヒストリカルデータページ - トップページから「プラットフォームとツール」→「ヒストリカルデータ」を選択します。
ダウンロード内容と形式
- 提供期間:2015年以降
- 対応口座:スタンダード口座/ナノ口座
- 通貨ペア:55種類
- CFD(金属):2種類
- ファイル形式:CSV(zip圧縮)
ダウンロードしたファイルはZIP形式で圧縮されています。解凍すると、各通貨ペアごとのCSVファイルが格納されています。

AXIORYデータの特徴と注意点
AXIORYのヒストリカルデータは、実際の配信価格に基づいており、スプレッドや価格の整合性が高いのが特徴です。
EAのバックテストでAXIORYの口座を利用している場合は、このデータを使うことで実際の取引環境をより正確に再現できます。
ただし、提供期間が限られているため、長期検証を行いたい場合はMetaQuotesの標準データと併用するのがおすすめです。
TradersTrustのヒストリカルデータをダウンロードする手順
アクセス方法

- TradersTrust公式サイトへアクセスします。
👉 TradersTrustヒストリカルデータページ - トップページから「ツール」→「ヒストリカルデータ」を選択します。
ダウンロード内容と形式
- 提供期間:2019年1月7日以降
- 通貨ペア:53種類
- CFD(金属):6種類
- ファイル形式:CSV(rar圧縮)
TradersTrustのヒストリカルデータは、すべての通貨ペアデータが1つのRARファイルにまとめられています。
ダウンロード後に解凍して使用します。

TradersTrustデータの特徴と注意点
TradersTrustのヒストリカルデータは、ブローカー独自のスプレッド構造を再現しており、実際の取引環境に近い形でバックテストを行うことができます。
特に短期売買型(スキャルピング系)のEAを検証する場合、ブローカーの実際の価格配信に合わせたデータを使用することで、より信頼性の高いテスト結果を得られます。
ファイル形式がRARであるため、解凍には「7-Zip」などの無料ソフトを使用しましょう。
AXIORY・TradersTrustのヒストリカルデータ比較表
項目 | AXIORY | TradersTrust |
---|---|---|
提供開始年 | 2015年〜 | 2019年〜 |
通貨ペア数 | 55種類 | 53種類 |
CFD(金属) | 2種類 | 6種類 |
ファイル形式 | CSV(zip) | CSV(rar) |
AXIORYとTradersTrustのどちらも高精度なヒストリカルデータを提供していますが、提供期間が短い点には注意が必要です。
長期のバックテストを行いたい場合は、MetaQuotesが提供する標準データを補完的に利用することで、テスト期間を拡張できます。
どちらのデータも、実際のブローカー環境に近いスプレッド構造やレート配信を反映しているため、EAの動作検証において非常に有用です。
MT4にヒストリカルデータをインポートする方法
ヒストリカルデータをダウンロードしたあとは、MT4にインポートして実際に使えるようにします。
以下の手順で設定を行いましょう。
STEP1:圧縮ファイルを解凍する

ダウンロードしたZIPまたはRARファイルを右クリックし、「すべて展開」または「ここに解凍」を選択します。
解凍したフォルダ内には、各通貨ペアごとのCSVファイルが格納されています。
フォルダの場所は分かりやすい位置(デスクトップなど)に保存しておくと便利です。
STEP2:ヒストリーセンターを開く

MT4上部メニューの 「ツール」→「ヒストリーセンター」 をクリックするか、ショートカットキー F2 を押します。
ヒストリーセンター画面が開いたら、通貨ペア一覧の中からインポートしたいシンボルを選びます。
STEP3:ヒストリカルデータをインポートする

対象の通貨ペアを選択した状態で「インポート」をクリックします。
次に「参照」ボタンを押して、先ほど解凍したCSVファイルを選択します。
プレビューにデータが正しく表示されたら「OK」を押して完了です。

STEP4:上書きに注意する
ヒストリカルデータをインポートすると、MT4に保存されている既存のMetaQuotesデータが上書きされます。
必要に応じてバックアップを取っておくと安心です。
特に異なるブローカーのデータを切り替えて使う場合は、フォルダ管理を明確にしておきましょう。
ヒストリカルデータのインポートが完了したら、いよいよバックテストを行ってEAの性能を確認してみましょう。
手順は下記の記事で詳しく解説しています。
👉 【完全ガイド】MT4でEAをバックテストする方法|手順・設定・トラブル解決まで徹底解説
MetaTrader4からヒストリカルデータを直接ダウンロードする方法
MT4では、プラットフォーム内から直接ヒストリカルデータをダウンロードすることもできます。
MetaQuotes社が提供する標準データを利用する方法です。
STEP1:ヒストリーセンターを開く

MT4上部メニューから 「ツール」→「ヒストリーセンター」 を選択するか、ショートカットキー F2 を押します。
ヒストリーセンター画面が開いたら、使用したい通貨ペアを一覧の中から選択します。
STEP2:ヒストリカルデータをダウンロードする

対象の通貨ペアを選んだら、「ダウンロード」ボタンをクリックします。
MT4が自動的にMetaQuotesサーバーからデータを取得し、1分足・5分足・1時間足などのタイムフレーム別に保存します。
STEP3:ダウンロード完了の確認
ステータスバーに「Download finished」と表示されたら完了です。
これで、MT4のバックテストやチャート表示に利用できる標準データが追加されます。
標準データの特徴と注意点
MetaQuotesの標準データは、長期間の履歴を取得できるという利点があります。
ただし、ブローカー独自のスプレッドやティック精度は反映されていないため、EAの実運用環境と結果が異なる場合があります。
短期的な検証やEAの動作確認には便利ですが、本格的なバックテストを行う場合は、ブローカー提供データを併用するのが理想です。
正確なヒストリカルデータを使うメリットと注意点
EAのバックテストで信頼性の高い結果を得るためには、正確なヒストリカルデータを使うことが重要です。
ここでは、ブローカー提供データを使用するメリットと注意点を整理します。
メリット
- 実際のブローカー環境と一致した検証ができる
AXIORYやTradersTrustが配信していた実際のレートを使うため、スプレッドやティック構造がリアルに再現されます。 - バックテストとリアルトレードの差を最小化できる
同じ価格配信を利用することで、EAの動作結果が実運用に近いものになります。 - 短期トレード型EAにも有効
スキャルピングやデイトレード系EAでは、数ポイントのスプレッド差が結果を大きく左右します。正確なデータであればその誤差を減らせます。
注意点
- 提供期間が短い
AXIORYは2015年以降、TradersTrustは2019年以降と、長期検証にはややデータが不足します。 - データ容量が大きい
複数通貨ペアをダウンロードすると数GB単位になることがあり、PCの保存領域に注意が必要です。 - MetaQuotesデータと混在させないように注意
異なる提供元のデータを同一通貨ペアで併用すると、ローソク足や価格の不整合が発生する場合があります。

まとめ
正確なヒストリカルデータは、EAのパフォーマンスを客観的に判断するための基盤です。
特にリアルトレードを想定した検証では、ブローカー公式のデータを使用することで信頼性と再現性の高い結果を得ることができます。
ヒストリカルデータの保存場所と管理方法
MT4にインポートしたヒストリカルデータは、自動的にパソコン内のデータフォルダに保存されます。
保存場所を理解しておくことで、データのバックアップや整理がスムーズに行えます。
保存場所の確認手順
- MT4の上部メニューから 「ファイル」→「データフォルダを開く」 をクリックします。
- 開いたフォルダ内にある 「history」 フォルダを開きます。
- その中にある 「サーバー名のフォルダ」 に、各通貨ペアのヒストリカルデータ(.hst ファイル)が保存されています。
例)C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\MetaQuotes\Terminal\xxxxxxxxxxxx\history\Axiory-Demo\

データ管理のポイント
- 不要なデータは削除して整理
使わないブローカーや通貨ペアのデータは削除しておくと、保存容量を節約できます。 - バックアップを取っておく
データを入れ替えたり別ブローカーのデータを試す前には、既存データを別フォルダにコピーしておくと安全です。 - 保存ドライブの空き容量に注意
ヒストリカルデータは長期になるほど容量が増加します。SSDや外部ドライブに保存しておくと動作も安定します。
まとめ
ヒストリカルデータはMT4の「history」フォルダにまとめて保存されています。
複数のブローカーや通貨ペアを扱う場合は、定期的に整理・バックアップを行い、快適で安全なバックテスト環境を保ちましょう。
まとめ|ブローカー提供データでバックテストの信頼性を高めよう
AXIORYやTradersTrustが提供するヒストリカルデータは、実際の取引環境に近い価格配信やスプレッド構造を再現できるのが大きな特徴です。
このデータを使うことで、EAのバックテスト結果とリアルトレードの乖離を最小限に抑えることができます。
一方で、提供期間が比較的短いため、長期検証にはMetaQuotes標準データの併用がおすすめです。
正確なデータを使い分けることで、EAの動作検証における信頼性と再現性が格段に向上します。
バックテストは、単なる結果の確認ではなく、EAの戦略がどんな相場で強いかを見極めるための工程です。
ヒストリカルデータを正しく管理・活用し、安定した自動売買環境を構築していきましょう。
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